こうもり ウィーン オペレッタ

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こうもり

 

作曲:ヨハン・シュトラウス

初演:1874年4月5日 ウィーン、アン・デア・ウィーン劇場

台本:カール・ハフナー、リヒャルト・ジュネー(ドイツ語)
 

 

あらすじ

 

 

時と場所:1874年オーストリアの温泉町バート・イッシュル

 

第1幕

序曲の後、ウィーンの豪華なアイゼンシュタイン邸内。夕暮れ時にロザリンデの4年前の恋人、アルフレードの歌う甘美なセレナードが聞こえて来る。そこへドアが開いて、手紙を手にした小間使いのアデーレが、ニコニコしながら入って来る。彼女は小間使いの仕事がいやでいやでたまらない。妹のイーダのように、将来は女優になるのを夢見ている。手紙はそのイーダからのもので、今夜オルロフスキー公爵邸で催される仮装舞踏会の招待状である。
アデーレが自分の身分を悲しんでいるところへ、ロザリンデが登場する。アデーレは、「奥様、私の叔母が病気なんです。今晩は見舞いに行きたいのですが。」と嘘をつく。しかし、ロザリンデは「だめよ、うちの主人は、5日間も刑務所に行くんだから。」とにべもない。
アデーレが泣く泣く部屋を出て行くと、庭からアルフレードが闖入して来る。驚いたロザリンデは「私は結婚してんのよ」と彼を一旦追い出す。そこへアイゼンシュタインが弁護士のブリントと口論しながら登場する。アイゼンシュタインは、知事に暴力をふるったため裁判にかけられ、ブリントの迷弁護のおかげで刑期が逆にのびてしまったからである。彼を待ち受けていたのは、「こうもり」とあだ名されるファルケ博士。博士はさっそくアイゼンシュタインに耳うちをする。今夜オルロフスキー公爵邸で仮装舞踏会があるが、刑務所へ行く前にどうかという。奥さんには内緒で、しかもルナール侯爵という偽名、酒と女と踊りは存分にということで、二人は手を取り合って、「トラ、ラ、ラ、ラー」と陽気に踊り出す。
部屋に入って来たロザリンデは、踊り歌う二人を見て仰天する。二人が退場すると彼女は先ほどのアルフレードの口説きを思い出し、アデーレに、叔母さんの見舞いに言って来たらと、鷹揚なところをみせる。
別室から着替えを済ませたアイゼンシュタインを見て、ロザリンデはびっくりする。刑務所に出頭するというのに、ホワイトタイに燕尾服という正装をしていたからである。そしてアデーレを含む三人は、それぞれの気持ちと内心の忸怩たる思いも込めて、別れの三重唱を歌う。
ロザリンデが一人でいるところへ、筋書き通りアルフレードがやって来る。彼は厚かましくも、アイゼンシュタインのナイトガウンを羽織り、ワインを飲みながら「酒の歌」を歌う。するとドアがノックされ、刑務所の所長のフランクが現れる。「ご主人をお迎えに」というわけで、アルフレードをアイゼンシュタインと勘違いして拘留しようとする。結局彼はアイゼンシュタインということにされ、刑務所に連行されて行く。一人取り残されたロザリンデは、孤独の寂しさをひしひしと感じる。

 

第2幕

オルロフスキー公邸の舞踏会場。ロザリンデの衣装を無断で拝借し、女優オルガという偽名で闖入したアデーレがいる。ファルケ博士はオルロフスキーに、これから「こうもりの復讐劇」が始まると告げる。まずアデーレが公爵に紹介され、続いてルナール侯爵という変名で来たアイゼンシュタインが紹介される。ここでアデーレとアイゼンシュタインは顔を見合わせて、お互いに一瞬オヤッと思う。アイゼンシュタインはうっかり、「うちの小間使いに」と口を滑らせてしまう。アデーレは怒り出し、次いで有名なクープレとなり、「伯爵様、ご自分のバカさ加減を反省なさい。この私の手、これが小間使いの手でしょうか。ばかばかしい。ハッハッハ」、一同は大笑い。
そこへもう一人の登場人物が現れる。シュヴァリエ・ド・シャグラン、実は刑務所長のフランクである。彼もアイゼンシュタインに紹介される。すると博士は一同に、今夜のヒロイン、ハンガリーの伯爵夫人も間もなく到着するが、彼女のご主人は大変嫉妬深いために、仮面をつけたままでいさせて欲しいと言っていると告げる。そして当の伯爵夫人が現れるが、それは何とロザリンデであった。彼女は夫がやに下がっているのに驚き、アデーレが来ているのにもびっくり。女好きのアイゼンシュタインは、自分の妻とも知らず口説き始める。ポケットから金縁の時計を取り出し、これを見せるとほとんどの女は、自分のものになると、内心でほくそ笑む。ロザリンデも愛嬌たっぷりに、時計の美しさを讃美する。これは有名な「時計の二重唱」で、後にポルカに編曲され、「チクタク・ポルカ」として愛されている。彼はますます接近作戦に出るが、余り接近し過ぎて時計を取られてしまう。
ここでロザリンデが余りにも有名なアリア、「チャルダシュ」を歌う。ハンガリー情緒豊かなナンバーで、ゆっくりとしたラッスと、速く情熱的なフリスから成っている。拍手喝采が続いた後、博士は公爵に「こうもり」の由来を話し始める。3年前の仮面舞踏会の日、侯爵は蝶々、自分はこうもりの扮装で出かけたが、酩酊した博士は道端に寝かされしまった。やがて朝が来ると、大きなこうもりが寝ているというので町中は大騒ぎ、以来博士は「こうもり博士」になってしまった。
博士は、「その仇討ちは、明日になれば分かります」と笑う。公爵はシャンペンの杯を上げて、「シャンペンは酒の王、彼は統治し宣言する」と「シャンペンの歌」を歌い出す。
舞踏会はまさにたけなわ、男たちは酒に酔い、女たちは頬を紅潮させている。にわか貴族のアイゼンシュタインとフランクは、すっかり意気投合して、「兄弟、ところで今一体何時かね」とフランク、「残念、俺の時計は彼女に持って行かれてね、」とアイゼンシュタイン。アイゼンシュタインは、帰るまでに一度ロザリンデの顔を見たいと思い、「お願いだから、その仮面をとって、美しい顔を見せてください」と懇願する。だがロザリンデは、どうしても応じない。そのとき突然、彼女の胸の奥でアイゼンシュタインの時計が鳴り出す。彼は数える「ひい、ふう、みい、やっ6時だ」さあ大変、アイゼンシュタインは刑務所へ、フランクは自分の職場へと、慌てて去って行く。

 

第3幕

刑務所のフランクの執務室。看守のフロッシュが酒を飲んでいると、独房からアルフレードの歌声が聞こえて来る。そこへフランクが帰って来るが、彼はシャンペンの酔いの余韻に浸り、ワルツのメロディを口ずさんだり、侯爵やオルガのことを楽しそうに思い出したりしているうちに、遂にソファーの上で眠りこけてしまう。
しばらくするとオルガ(実はアデーレ)が、妹のイーダとともにやって来る。彼女らはアデーレを本物の女優にしてくれるよう、シュヴァリエ(フランク)に頼みに来たのである。さすがのフランクもこれには参り、女優になるには才能が必要と諭すが、アデーレは「田舎娘の役なれば、子猫のように飛び跳ねて」と、陽気なクープレでこれに応じる。ベルが鳴るのでフランクは彼女たちを別室に隠し、ドアを開けると侯爵(アイゼンシュタイン)が入って来る。実は自分はアイゼンシュタインでと告げると、彼なら昨夜私が連行して来ましたよとフランクが言う。それを聞いたアイゼンシュタインは、愕然として酔いもさめてしまう。そこへ弁護士のブリントがやって来たので、無理矢理彼の衣装を剥ぎ取り、本物のアイゼンシュタインが弁護士に化けて偽アイゼンシュタインを尋問しようとする。そうこうしているあいだにロザリンデが入って来て、アルフレードを独房から出す手続きを始める。それを見てアイゼンシュタインは逆上、アルフレードにますます詰め寄る。仕方なくアルフレードはロザリンデとの関係を認め、身代わりに刑務所入りした経緯を語る。ロザリンデはロザリンデで、アイゼンシュタインの昨晩の行ないを非難、すると弁護士の制服を脱いだアイゼンシュタインが、本物は俺様だと正体をあらわすので、アルフレードとロザリンデの二人は仰天する。
だが開き直った彼女は、分捕った浮気時計を取り出し、これは一体何ですかと突きつける。あのハンガリーの伯爵夫人は俺の女房だったのかと、アイゼンシュタインは万事休す。そこへファルケ博士とオルロフスキーが、皮肉な笑いを浮かべてやって来る。博士はロザリンデに、これはあなたのご主人に対する、「こうもりの復讐劇」なんですよと明かす。これでようやく一同は納得し、アデーレも公爵がパトロンとなって女優になることが出来て大喜び、一同が揃ったところで、再び高らかに「シャンペンの歌」が歌われ、華やかに幕は閉じられる。

プログラムとキャスト

<スタッフ・キャスト>

 

演出:Robert Herzl

舞台装置:Pantelis Dessyllas

衣装:Doris Engl

振付:Lili Clemente

  :Florian Hurler

合唱指導:Roger Díaz-Cajamarca

 

指揮:Alfred Eschwé

 

ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン:Sebastian Reinthaller

ロザリンデ:Ulrike Steinsky

アデーレ:Lauren Urquhart

イーダ:Mila Schmidt

ファルケ博士:Alexandre Beuchat

オルロフスキー侯爵:Katia Ledoux

アルフレード:Jason Kim

フランク:Daniel Ohlenschläger

フロッシュ:Sigrid Hauser

ブリント博士:David Sitka

イヴァン:Gabor Oberegger

 


*出演者等は変更となる可能性があります*

フォルクスオーパー・ウィーン

フォルクスオーパーへのアクセス

地下鉄:U6
トラム:40 、 41 、 42
バス:40A
停車駅:ヴェーリンガーシュトラッセ/フォルクスオーパー(Währinger Straße/Volksoper)

タクシー乗り場は環ヴェーリンガーギュルテル(Währinger Gürtel・環状道路)沿いに位置しています。

又、公演終了時にはタクシーが劇場前に待機していますので、ホテルまでのお帰りがご心配な方にはタクシーのご利用をお勧めします。

 

フォルクスオーパーについて

ウィーン・フォルクスオーパーはウィーンでは国立歌劇場についで2番目に大きな歌劇場で、オペレッタ、オペラ、ミュージカル、バレエなど洗練された軽音楽が上演されます。

毎年9月から6月迄のシーズン内に約300公演、35演目が上演され、オペラ「魔笛」「トゥーランドット」、ミュージカル「マイ・フェア・レディー」、バレエ「真夏の世の夢」を始め、多大なレパートリーを誇ります。そして、何と言っても「こうもり」「メリー・ウィドー」「チャルダッシュの女王」「ワルツの夢」他、ウィーン特有のオペレッタはフォルクスオーパーの最も得意ジャンルとして常に生きる喜びに溢れた舞台音楽を堪能できます。

 

歴史

1898年、当時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の即位50周年を記念し、建築家のフランツ・フライヘア・フォン・クラウスとアレクサンダー・グラフによって建設され、同年12月14日に開館しました。

1906年にはアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーが初代指揮者に就任。1907年に「トスカ」、1910年に「サロメ」が初めて上演され、世界的に有名な歌手であるマリア・イェリッツァやリヒャルト・タウバーなどが出演しました。

第一次世界大戦の時代、フォルクスオーパーはウィーン第2の歌劇場としての地位を守っていましたが、1928年に経営が悪化し倒産、翌年1929年からはオペレッタを主な演目としました。

第二次世界大戦終盤の数ヶ月はしないで2番目に大きな1,550席の映画館として使用されていましたが、終戦後、空襲で壊滅的な打撃を受けたウィーン国立歌劇場の代替役をアン・デア・ウィーン劇場とともにしばらく担っていました。

1955年に国立歌劇場が再オープンしてからは再び、オペラ、オペレッタ、ミュージカルなどの公演に復帰しますが、1991年9月より再度国立歌劇場に属し、出演歌手などが両方の劇場に所属するといった状態になっていましたが、1966年より独立。

 

 

Volksoper Viena
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© Barbara Pálffy/Volksoper Wien
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