アドリアーナ・ルクヴルール - オペラ

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四幕のオペラ

音楽:フランチェスコ・チレア (1866-1950)

リブレット:アルトゥーロ・コラウッティ、ユージン・スクリーブとアーネスト・レグヴェの同名の戯曲に基づく

 

アドリアーナ・ルクヴルールは、デイヴィッド・マクヴィカーの魅力的な演出で初めてテアトロ・レアルの舞台に登場します。演劇と音楽が時代のアクセントと共に融合し、エルモネラ・ヤホ、マリア・アグレスタ、エリーナ・グランチャを含むスターキャストが出演します。

 

 

あらすじ

時と場所: 1730年3月、パリ

第1幕

公演直前の舞台袖。今晩の演目はコルネイユの『バジャゼ(Bajazet)』。一座の2大女優アドリアーナとデュクロが競演するとあって期待と興奮が高まっている。舞台監督のミショネは俳優たちに衣装や小道具のあれこれの事を言い付けられ、一座のパトロン、ブイヨン公爵の相手もしなければならず大忙しである。アドリアーナも登場。彼女は楽屋の喧騒をよそに台詞の練習に余念がない。その演技の素晴らしさに思わず一同が賞賛の声を挙げると、アドリアーナは謙遜して「自分は芸術の神に仕える醜い僕(しもべ)です」と言う。

芝居が始まり、楽屋には出番を待つアドリアーナとミショネだけが残される。かねてからアドリアーナに想いを寄せるミショネは「伯父が死んで遺産が入った。意中の女性に求婚しようと思うんだが」と、おずおず不器用に自分の想いを伝えようとするが、恋人のマウリツィオが楽屋を訪ねてくるのを浮き浮きと待っているアドリアーナはそれがミショネのプロポーズであることにすら気が付かない。

マウリツィオが登場。ミショネはこの颯爽とした若い士官と老いた自分では勝負にならないと潔く諦め、席を外す。2人きりになり、マウリツィオ(サクソニア公に仕える旗手であると身分を偽っている)は情熱的にアドリアーナを賞賛、今晩の舞台終了後に共に一夜を過ごそうと約束する。アドリアーナは彼にスミレの小さなブーケを渡す。出番が近づいたので、マウリツィオは客席に、彼女は舞台裏へと去る。

ミショネが戻ってくる。アドリアーナの当夜一番の見せ場であるモノローグが始まる。幕の隙間から覗くミショネは、アドリアーナの演技に感動し賞賛し、客席に見える凛々しい士官への複雑な気持を吐露する。

ブイヨン公は愛人デュクロが誰かに手紙を書いていると聞いて嫉妬、その手紙を入手する。それはマウリツィオ宛で、「今晩11時、セーヌ川の邸宅で」とあった。その邸宅自体、公爵がデュクロに与えたものだった。公爵は手紙の封を戻し、マウリツィオのもとに届けさせ、その上で2人の密会を邪魔してやろうと、同時刻にその邸宅でパーティーを開くことを計画する。

デュクロの手紙を受け取ったマウリツィオが楽屋に戻ってくる。彼はフランス王室との秘密交渉のため、王室と繋がりのあるブイヨン公妃にかねてより面会を求めていた。デュクロは公妃との仲介役の労をとっており、手紙は「今晩11時マウリツィオが公妃に面会できる」という意味だった。マウリツィオはアドリアーナに今晩は会えなくなった旨伝言を託して去る。

舞台が終り、伝言を受けとったアドリアーナはがっかりしている。ブイヨン公爵は「一座の全員でデュクロを驚かせ、お灸を据えてやろう」と考え、アドリアーナまでをもパーティーに招待する。

 

第2幕

マウリツィオは政治問題の下交渉のために公妃に面会したいだけだが、公妃の方はこの機会に若い彼を恋人としたいと考え、デュクロ邸で待っている。マウリツィオ登場。嫉妬深い公妃は早速彼の胸ポケットに挿したブーケを見つけ、仕方なく彼は「これは貴女への贈り物」と差し出す。公妃はマウリツィオが自分と関係を持てば政治交渉が進む旨を暗示するが、彼はその誘いには乗らない。

そこへ、密会しているのはデュクロとマウリツィオだと信じて疑わない公爵一行が登場。公妃は危うく小部屋に隠れ、マウリツィオだけが仕方なく人々に調子を合わせる。公爵との会話を聞いたアドリアーナはマウリツィオが単なる士官ではなく、伯爵その人であることを悟り驚くが、彼女も彼とデュクロとの関係を疑う。マウリツィオはそれを否定するが、アドリアーナに「小部屋に隠れている貴婦人は私の公務にとって大事な人。どうか隙を見て彼女を逃がしてほしい。ただし君も彼女の顔を見てはいけない」と依頼する。

アドリアーナは彼の言葉を信じ、人々が食堂に向かった隙に部屋の灯りを消して小部屋の女性を連れ出す。暗闇の中で二人の会話がなされ、お互いに素性を知らぬまま恋敵同士であることを直感する。怒ったアドリアーナは公妃の正体を暴こうとするが、公妃は邸外に逃走する。その際落とした公妃の腕輪はミショネが拾い上げ、アドリアーナに手渡す。

 

第3幕

数日後、ブイヨン公爵邸では夜会が開かれようとしている。アドリアーナも招かれている。彼女の声を聞いて恋敵はアドリアーナではなかったかと疑いをもった公妃は「マウリツィオは決闘で重傷を負った」と嘘をいい、アドリアーナが気絶しそうになるのでその確信はいよいよ強まる。そこへマウリツィオが現れアドリアーナは一安心する。恋敵2人の鞘当ては続く。公妃はスミレのブーケのことを話題に出し、アドリアーナは拾った腕輪を見せびらかす。

宴席の余興としてアドリアーナが芝居の名台詞を朗詠することになる。公妃は『アリアドネ』(これは男に捨てられた女性である)の台詞を所望するが、アドリアーナはラシーヌ『フェードル』(これは夫を裏切った淫乱な女性)の一節を見事に演じる。一同は喝采するが、それを自らに対する侮辱と知った公妃は独り復讐を誓う。

 

第4幕

公爵邸の一件以来アドリアーナは自宅で静養していた。今日は彼女の誕生日。一座の仲間の俳優たちが祝いにやってきて、贈り物や楽屋のゴシップで彼女の心を和ませる。彼女はこれらの暖かい思いやりに感激して、舞台復帰を約束する。

そこへ「マウリツィオより」と書いた小箱が届けられる。アドリアーナが箱を開けると、かつて彼に渡したあのスミレのブーケ。すっかり萎れたその花を見て、彼女は彼を失ったと絶望、「哀しい花よ」と歌いかけ、スミレに接吻した後暖炉にくべる。

しかしそこへ、マウリツィオがミショネの求めに応じて訪問してくる。彼はこれまでの不義理を詫び、心はいつまでもアドリアーナにあることを誓い求婚する。当初訝しげに応対していたアドリアーナも彼の真心に打たれ、結婚を承諾する。

ところが彼女は顔面蒼白である。マウリツィオとミショネは、スミレのブーケはブイヨン公妃が贈ったもので、そこには毒が仕込まれていたことを悟る。アドリアーナの意識は混濁し始め、かつての栄光の舞台の台詞を語気鋭く叫んだかと思うと、次の瞬間には清らかな旋律に情感を込めて愛を歌う。マウリツィオの腕の中で苦しみつつアドリアーナは息を引き取り、一同が呆然とする中で、静かに幕となる。

プログラムとキャスト

芸術チーム

音楽監督: ニコラ・ルイソッティ

演出: デイヴィッド・マクヴィカー

セットデザイン: チャールズ・エドワーズ

衣装: ブリジット・ライフェンシュトゥール

照明: アダム・シルバーマン

振付: アンドリュー・ジョージ

合唱指揮者: ホセ・ルイス・バッソ

 

キャスト

アドリアーナ・ルクヴルール: エルモネラ・ヤホ __ 9月23、26、29日; 10月2、5、8、11日

                                  マリア・アグレスタ __ 9月25、28日; 10月1、4、7、10日

マウリツィオ: ブライアン・ジャグデ __ 9月23、26、29日; 10月2、5、8、11日

                マシュー・ポレンザーニ __ 9月25、28日; 10月1、4、7、10日

ブイヨン公爵: マウリツィオ・ムラーロ

ブイヨン公爵夫人: エリーナ・ガランチャ __ 9月23、26、29日; 10月2、5、8、11日

                                   クセニア・ダドニコバ __ 9月25、28日; 10月1、4、10日

                                   テレーザ・ロマーノ __ 10月7日

ミショネット: ニコラ・アライモ __ 9月23、26、29日; 10月2、5、8、11日

                    マネル・エステヴ __ 9月25、28日; 10月1、4、7、10日

キノー: ダビッド・ラガレス

ポワソン: ヴィセンス・エステヴ

マドモワゼル・ジュヴノ: シルビア・シュワルツ

マドモワゼル・ダンジュヴィル: モニカ・バチェリ

シャゼイユのアバ: ミケルディ・アチャンランダバソ __ 9月23、26、29日; 10月2、5、8、11日

                               ジョセップ・ファド __ 9月25、28日; 10月1、4、7、10日

テアトロ・レアルの合唱団とオーケストラ

ホセ・カレラスに敬意を表して、彼の アドリアーナ・ルクヴルール のマドリードでの公演から50周年を迎え、テアトロ・デ・ラ・サルスエラ(1974年)でモンセラート・カバリェと共に。

テアトロ・レアル

テアトロレアルはスペインを代表するオペラハウスです。それは音楽と舞台芸術の分野で国のトップ機関であると考えられています。


Teatro Real Foundationは、スペイン王と女王が議長を務めています。それは、その創設に参加した2つの行政、すなわち文部科学省とマドリッド市(マドリッドの地方政府)に依存しています。財団は31人の評議員会によって統治されています。評議員会は、文部科学省の提案に従って、理事長および執行委員会を選出する。財団は公共団体であり、その統治と後援において市民社会が果たす重要な役割があります。


テアトロリアルの目的は、世界中から最も才能のある歌手、指揮者および舞台監督のための開催地を創設することです。その芸術的使命は、すべての年齢と興味の聴衆に訴えるために古典的と現代の叙情詩的なレパートリーを組み合わせることによって卓越性を追求するプログラミングで表現されます。若い人たちや子供たちをオペラに紹介することは特に重要です。これらすべてと、プリンシパルコーラスおよびテアトロレアルのオーケストラと共に、世界中のステージで最も最新の技術的専門知識と多数のインハウスプロダクションがスペイン国内および海外でテアトロレアルをしっかりと位置づけています。

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