アラベラ

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アルベラ - リヒャルト・シュトラウス [1864 – 1949]

 

3幕のリリカル・コメディ
台本:フーゴ・フォン・ホフマンスタール
1933年7月1日にドレスデンで初演
2023年3月18日にドイチェ・オーパー・ベルリンで初演
15歳以上推奨。

 

上演時間:約3時間30分 | 2回の休憩あり
ドイツ語上演、ドイツ語および英語の字幕付き
公演前の講演(ドイツ語):各公演の45分前

 

 

あらすじ

1860年のウィーン。退役騎兵大尉のヴァルトナー伯爵夫妻は、金もないのに年頃の2人の娘を連れて豪勢なホテル住まいをしている。都会での派手な生活に加え、わずかな蓄えも博打狂いの伯爵がすってしまい底をつくが、家族は美貌の姉娘アラベラに金持の結婚相手を見つけることに一縷の望みを繋いでいる。

 

第1幕

ヴァルトナー伯爵一家が滞在するホテルの一室

ヴァルトナー伯爵が博打に行った隙に、伯爵夫人は怪しげな女占い師を部屋に引き入れて、ウィーンでの将来を占ってもらっている。女占い師はトランプ占いで、伯爵が賭けで破産することや箱入り娘のアラベラに結婚相手が出来ること、しかしそれを妹に邪魔されるだろう……などと、胡散臭い予言を次々並べ立てる。占いの結果に一喜一憂する夫人達を尻目に、借金取りが請求書を持ってやって来る。男の振りをしたズデンカは、手なれたもので次々あしらって追い返す。夫人と女占い師が別室に消えると、アラベラを愛する若い軍人のマッテオがやってくる。ズデンカは親友のマッテオを喜ばせるためにアラベラの手紙を代筆していたのだが、彼は熱っぽい手紙の文面と違う普段のアラベラのつれない態度に絶望して自殺をほのめかす。

 

入れ替わりにアラベラが登場。ズデンカはマッテオを愛しているが、彼を救うためにアラベラとの仲を成就させようとする。しかしアラベラは、家族を破産から救うためには相手が金持ちでなければ結婚出来ない。ふと彼女は、今朝道で見かけた立派な身なりの異邦の旅人を思い出す。アラベラが恋へのあこがれを切々と歌うと、ズデンカも歌い美しい二重唱になる。

 

そんな時、アラベラの取り巻きの一人エレメール伯爵がそりに乗ってやってくる。今夜開かれる舞踏会に誘いに来たのだ。エレメールが居なくなると、アラベラは今朝の旅人を窓の外に見かける。

 

ヴァルトナー伯爵と夫人が帰って来る。いよいよ無一文となった伯爵は、破産から逃れるために、かつて軍人時代に仲が良かったマンドリーカという富豪にアラベラを嫁がせる話をする。ちょうどその時、召使がマンドリーカの名刺を持って現れる。喜ぶヴァルトナーだったが、招き入れたマンドリーカは、彼の知ってる男ではなかった。先代のマンドリーカは亡くなり、その甥が後を継いでいたのである。

 

がっかりするヴァルトナーに、マンドリーカは彼が来た理由を語る。ヴァルトナーが叔父の気を引くために送ったアラベラの写真を見て、一目ぼれして求婚するためにやって来たというのだ。ヴァルトナーはちゃっかりマンドリーカから金をせしめると、ご機嫌になりアラベラに紹介することを請合う。

 

ズデンカが入ってくるが、臨時収入を得て浮かれきったヴァルトナーは賭博に出かけてしまう。ズデンカが呆れていると、マッテオが再び忍んできて彼女の心をかき乱す。

 

最後にアラベラが登場し、あの旅人を思いつつメランコリックなアリアを歌うと、ズデンカとともにいさんで外出する。

 

第2幕

舞踏会の会場

ウィーンで夜毎開かれている御者舞踏会(フィアカーバル)のダンスホールに続く広間。

 

アラベラはあこがれていたあの旅人、マンドリーカが自分に求婚するために現れたことに驚くが、わざと素っ気無い態度を取る。しかし、マンドリーカの素朴な心情にほだされ、彼の求婚を受ける。愛の二重唱。

 

人気歌手フィアカーミリが現れ、アラベラを賛美する陽気な歌を歌う。

 

アラベラは独身に別れを告げるために、彼女に求婚していたエレメール、ドミニク、ラモーラルの3人と踊る。しかしマッテオはどうしてもアラベラを忘れられない。ズデンカはやむを得ず、自分が姉の身代わりになって彼を慰める決意をし、マッテオにアラベラとの逢瀬を手引きする。それを偶然耳にしたマンドリーカは、あわてて2人を捕まえようとするが逃げられてしまう。半信半疑のマンドリーカの元に、アラベラの手紙が届けられる。マドリーカはアラベラの裏切りを確信して自暴自棄になり、フィアカーミリとともに恋人をなじる荒々しい歌を歌い踊り、大騒ぎになってしまう。

 

第3幕

ヴァルトナー伯爵が滞在するホテルのロビー

前奏曲(これは『ばらの騎士』第1幕へ前奏曲と同じく、愛を交わすズデンカとマッテオの情景を描写した音楽である)。

 

ひと気の途絶えた深夜のロビー。ややあって忍んでいたアラベラの部屋から出てきたマッテオは階段を降りて来るが、ちょうど舞踏会から帰ってきたアラベラと出くわし驚く。ついさっきまで愛し合ったズデンカをアラベラと思い込んでいるマッテオは、アラベラのそっけない態度が信じられず口論になる。

 

揉めている2人のところに、舞踏会の連中を引き連れたマンドリーカが現れ、2人のただならぬ様子を邪推する。ヴァルトナーはマンドリーカの無礼に憤慨して、彼に決闘を申し込む。

 

その時ズデンカが出てきて、自分のしでかした全てを告白し、ドナウ川に身投げすると叫ぶ。妹を優しく抱きしめるアラベラ。一同はズデンカの献身的な愛に打たれ、マッテオも初めて見る少女の姿のズデンカに心惹かれる。

 

アラベラは喉が渇いたといい、マンドリーカの従者にコップ一杯の水を頼むと部屋に引っ込む。

 

激しい自己嫌悪に駆られるマンドリーカを残して人々が去ると、やがてアラベラが階段をゆっくり降りてきて、マンドリーカにコップを差し出す。これはマンドリーカの故郷に伝わる、求婚を受け入れる際の風習である。マンドリーカは幸福に酔いしれ、水を飲むとコップを叩き割り、愛を誓う。恋人たちが抱き合ううちに、幕となる。

プログラムとキャスト

音楽監督: ドナルド・ラニクルズ卿

制作:トビアス・スクラッチ

舞台・衣装 ライナー・セルマイヤー

衣装担当:クララ・ルイーザ・ヘルテル

振付:イェローン・フェルブルッヘン

ライト:ステファン・ウィンケ

ビデオ: ジョナス・ダール

ビデオ: マヌエル・ブラウン

合唱団:ジェレミー・バインズ

ドラマツルギー:ベッティーナ・バーツ

ワルドナー伯爵:アルバート・ペーゼンドルファー

アデレード: ドリス・ソフェル

アラベラ:ジェニファー・デイヴィス

ズデンカ:ハイジ・ストーバー

マンドリカ:トーマス・ヨハネス・メイヤー

マテオ:ダニエル・オハーン

エレマー伯爵:トーマス・シルフィ

ドミニク伯爵:カイル・ミラー

ラモラル伯爵:ジェラルド・ファレラス

フィアケルミリ:ムン・ヘヨン

カードサーバー:カリス・タッカー

ウェルコ:ヨルグ・シェールナー

ジュラ:マイケル・ジャマック

ジャンケル:ロバート・ヘベンストライト

部屋のウェイター: N.N.

合唱団: ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団

オーケストラ: ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団

フォトギャラリー
Thomas Aurin
© Thomas Aurin
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ベルリン・ドイツ・オペラ

ベルリンドイツオペラはドイツ・ベルリンのシャルロッテンブルク地区にあるオペラハウスで、ドイツ国内ではではバイエルン国立歌劇場に次ぐ2番目に大きな歌劇場です。ベルリン国立バレエ団の本拠地。

このオペラハウスの歴史は、シャルロッテンブルク地区が 「プロイセンで最も豊かな街」として独立していた時代の「シャルロッテンブルク・ドイツ歌劇場」に遡ります。 1911年よりハインリッヒ・ゼーリンク(Heinrich Seeling)によって設計され、1912年11月7日に開館され、イグナッツ・ヴァルター指揮の下ベートーベン「フィデリオ」が上演されました。 1920年ベルリン行政区新設法により、大ベルリンが設置された際、劇場の名前は1925年に「ベルリン市立歌劇場」となります。

オペラ座がナチス政権のコントロール下にあった1933年その名称は「ベルリン・ドイツ・オペラ」とされ、ベルリン州立歌劇場と覇を競い1935年に建物は座席数を減らして改築されますが1943年11月23日に爆撃を受け、破壊されてしまいます。

戦後、西ベルリンに新設され、1961年9月24日に現在の名称「ベルリン・ドイツ・オペラ」としてモーツァルトの「ドン・ジョバンニ」をもって開場されます。

座席数1900

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