イドメネオ

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PreviousAUG 2035

 

イドメネオ – ウルフガング・アマデウス・モーツァルト
オペラ・セリア、三幕二部構成、イタリア語、ハンガリー語、英語、イタリア語の字幕付き
上演時間:2時間45分、1回の休憩あり。

 

トロイア戦争は非常に重要な歴史的事件であり、過去2800年のヨーロッパ文化史の主要なモチーフの一つとなり、そのエピソードやキャラクターは数千人の芸術家に影響を与えました。モーツァルトのイドメネオは、トロイア戦争から戻った疲れた王と、自然の制御できない力に命の危険にさらされているクレタ島の人々の物語を語ります。この作品は以前に一度だけOPERAで上演され、1979年のことです。その後、約四半世紀が過ぎてから、再びブダペスト国立歌劇場のステージに戻ることができました。今回はアンドラーシュ・アルマーシ=トートによって演出され、現代の文脈で自然と人類との戦いが強調されており、大都市が海に沈み、自然が都市生活と人間の空間を飲み込んでいく様子が描かれています。海の神が彼らを許さない限り…

 

 

あらすじ

 

第1幕

舞台はクレタ島。トロイアの王女イリアはクレタに囚われていたが、イドメネオの息子イダマンテを愛していた。しかし、彼女はイダマンテに愛を告げるのをためらう。イダマンテはトロイアの捕虜を解放し、愛を拒絶したイリアに、父親同士が敵なのは自分のせいではないと語る。トロイア人とクレタ人はともに平和が訪れたことを喜ぶが、エレットラはイリアに嫉妬し、捕虜への慈悲を非難する。そこに、王の腹心アルバーチェが、王が帰還中に嵐に会って行方不明になったと伝える。エレットラは、トロイア人のイリアがクレタの女王になるのではないかと恐れ、怒り狂う。

 

船が難破したあと、海岸でイドメネオは海神ネプチューンへの誓いを思い出す。生き残ることができたら、海岸で最初に会った者を生け贄に捧げると。イダマンテが近づくが、遠くからだったのでイドメネオは誰だか分からなかった。若者が自分の息子だと気付くと、イドメネオはイダマンテに二度と自分に近づくなと命じる。父親から拒絶されて悲嘆にくれたイダマンテは走り去る。船から降りたクレタ人の部下たちは、妻と再会し、ネプチューンに感謝する。

 

第2幕

王宮でイドメネオから相談を受けたアルバーチェは、イダマンテを追放すれば別の生け贄を供することができるだろうと提案する。イドメネオは、エレットラを伴ってアルゴスに行くようイダマンテに命じる。イリアはイドメネオの優しい言葉に感動し、自分はすべてを失ったのだから、イドメネオを父としクレタを自分の国とすると述べる。イドメネオはイダマンテの追放が自分だけでなくイリアの幸せも失わせると気付く。エレットラはイダマンテとアルゴスに行くことを喜ぶ。

 

イドメネオはシドンの港でイダマンテに別れを告げ、アルゴスで統治の術を学ぶよう促す。しかし、船が出港する前に突然嵐が発生し、怪物が出現する。怪物がネプチューンの使者だと気付いたイドメネオは、神への誓いを破った償いとして、自分自身を捧げると述べる。

 

第3幕

王宮の庭で、イリアはそよ風が愛をイダマンテに届けるように願う。イダマンテが現れ、あの怪物と戦いに行かねばならぬと伝える。愛を拒絶される苦しみは死ぬほど辛いと言われ、イリアはついに愛を告白する。イダマンテがイドメネオになぜ自分を遠ざけるのかと尋ねると、イドメネオは立ち去れと答えるのみであった。イリアはエレットラに慰めを求めるが、エレットラは復讐心をつのらせる。アルバーチェが現れ、海神を祭る大司祭に率いられて民衆がイドメネオを求めて騒いでいると伝える。大司祭はネプチューンが送った怪物が破壊を起こしていると伝え、神が求めている生け贄は誰なのかを明かすよう促す。イドメネオは自分の息子が生け贄であると告白し、民衆は恐怖に震える。

 

寺院の外でイドメネオと大司祭は、神が鎮まるように司祭たちと祈る。そこにアルバーチェがイダマンテが怪物を倒したと伝える。イドメネオがネプチューンのさらなる復讐を恐れると、イダマンテが生け贄の服をまとって現れ、父の苦しみを理解し死ぬ覚悟ができていると語る。苦しみに満ちた惜別のあと、イドメネオは息子を殺そうとする。そこにイリアが乱入し、自分の命を代わりに捧げてくれと頼む。神の声が響き渡る。「愛の神が勝った。イドメネオは退位し、イダマンテが王となりイリアをめとれ」と。全員が安堵するが、エレットラは怒り自分の死を願う。イドメネオはイダマンテとイリアを新しい王とする。民衆は愛と結婚の神をたたえ、二人を祝福し平和を喜ぶ。

プログラムとキャスト

指揮者: Ádám Cser、Sámuel Csaba Tóth
イーリア: Zita Szemere
イドメネオ: Szabolcs Brickner
イダマンテ: Artúr Szeleczki
エレクトラ: Laura Topolánszky
アルバチェ: Ninh Duc Hoang Long
声: N.N.

 

ハンガリー国立オペラ管弦楽団と合唱団、さらにハンガリー舞踊大学の学生が出演

 

作曲家: ウルフガング・アマデウス・モーツァルト
リブレッタ: ジャンバティスタ・ヴァレスコ
演出家: アンドラーシュ・アルマーシ=トート
舞台美術家: セバスティアン・ハンナック
衣装デザイナー: リチャード・マールトン
振付師: ノエミ・クルチャール
照明デザイナー: タマーシュ・ピリンガー
映像デザイナー: ズンボル・チェグレディ
ハンガリー語テキスト、アンドラーシュ・アルマーシ=トートによるマリア・アンナ・コヴァーチの翻訳に基づく
合唱指揮者: ガーボル・チキ

ハンガリー国立歌劇場

ハンガリー国立歌劇場(ハンガリーこくりつかげきじょう、ハンガリー語: Magyar Állami Operaház)は、ハンガリーの首都ブダペストにあるネオルネッサンス建築の歌劇場。

 

概要

 

1858年創設。グスタフ・マーラーが音楽監督を務め、黄金時代を築いた。以後、エルネー・ドホナーニやフェレンツ・フリッチャイ、オットー・クレンペラー、ヤーノシュ・フェレンチクらが歴代音楽監督として名を連ね、リヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンなどの巨匠達も客演指揮を行っている。

初演された主な作品に、バルトークのバレエ「かかし王子」(1917年)、歌劇「青ひげ公の城」(1918年)や、コダーイの歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」(1926年)がある。

歌劇場の専属オーケストラはブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の名称で知られている。

なお、同じくフリッチャイやフェレンチクが音楽監督であったハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)は、この歌劇場のオーケストラとは別団体である。

Attila Nagy
© Berecz Valter
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