パルジファル

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パルジファル - リヒャルト・ワーグナー
三幕の聖なる祝祭劇、ドイツ語、ハンガリー語、英語、ドイツ語の字幕付き
公演時間: 5時間30分、休憩2回あり。

 

パルジファルは、ワーグナーの最後の音楽ドラマであり、世界の誘惑と罪深い欲望に対する恐怖を贖罪の物語に組み込んでいます。この作品は実際にはオペラではなく、舞台のための祝祭劇です。多くの観客は、自身の恐怖心からか、リブレットと音楽の両方を作曲したワーグナーに対して、作品の美徳と注目すべき複雑さ、すなわち、神聖な愛と世俗的な愛の概念を融合させた宗教的テーマを描写する個人的なトーンについて批判しました。この制作の視覚的世界は、芸術監督アンドラーシュ・アルマーシ=トートによって演出され、セバスチャン・ハンナックがデザインを担当しました。彼はまた、ポーギーとベスや妖精の女王のビジュアルにも関わっています。

 

 

構成とあらすじ

 

第1幕

前奏曲。グルネマンツと小姓たちが傷の治療のために湖へ向かう王を待っているところへ、クンドリが現れ、アンフォルタス王の薬を託す。かつてアンフォルタスはクンドリに誘惑され、聖槍を奪われて傷つけられていた。癒えない傷口からは、絶えず血が流れ出し、罪の意識を伴ってアンフォルタスを苦しめた。グルネマンツは魔法使いクリングゾルの邪悪と、王を救うための神託について語る。神託とは、「共苦して知に至る、汚れなき愚者を待て」というものであった。そこへ、湖の白鳥を射落とした若者が引っ立てられてくる。グルネマンツはこの若者こそ神託の顕現ではないかと期待し、若者を連れて城へ向かう。城内の礼拝堂で、聖杯の儀式が執り行われる。しかし、傷ついているアンフォルタスにとって、儀式は苦悩を増すものでしかない。官能への憧れと罪への苦痛、死への願望がアンフォルタスを襲う。先王ティトゥレルの促しによって、聖杯が開帳される。しかし、若者は茫然として立ちつくすばかり。グルネマンツは失望して若者を追い立てる。

 

第2幕

短い前奏曲。クリングゾルの魔の城。クリングゾルの呼びかけに応じてクンドリが目覚める。クリングゾルはクンドリに、魔の城に侵入した若者を誘惑し堕落させるように命じる。クンドリは抵抗するが、結局言いなりになるしかない。若者は襲いかかってくる兵士たちをなぎ倒して進むうち、クリングゾルの魔法によって、あたりは花園になる。花の乙女たちが無邪気に舞いながら若者を誘う。やがてクンドリが「パルジファル!」と呼びかけ、初めて若者の名が明かされる。クンドリはパルジファルの母親の愛を語り、接吻する。ところが、この接吻によって、パルジファルは知を得て、アンフォルタスの苦悩を自分のものとする。なおもクンドリはパルジファルに迫り、クンドリの呪われた過去も明らかになる。しかし、パルジファルはこれを退ける。誘惑に失敗したと悟ったクリングゾルが現れ、聖槍をパルジファルめがけて投げつける。聖槍はパルジファルの頭上で静止し、パルジファルがそれをつかんで十字を切ると、魔法が解け、城は崩壊して花園は荒野と化す。

 

第3幕

前奏曲は、パルジファルの彷徨・遍歴を示す。第1幕と同じ場所で、隠者となったグルネマンツは倒れているクンドリを見つける。そこに武装した騎士が現れる。騎士はパルジファルだった。いまやアンフォルタスは聖杯の儀式を拒否し、先王ティトゥレルも失意のうちに没し、聖杯の騎士団は崩壊の危機に瀕していた。クンドリが水を汲んできて、パルジファルの足を洗い、グルネマンツがパルジファルの頭に水をかける洗礼の儀式。パルジファルもまたクンドリを浄める。泣くクンドリ。ここから聖金曜日の音楽となる。3人は城に向かう。城では、騎士たちの要請によって、ティトゥレルの葬儀のための儀式が、これを最後に始まろうとしていた。アンフォルタスは苦悩の頂点に達し、「我に死を」と叫ぶ。そのとき、パルジファルが進み出て、聖槍を王の傷口にあてると、たちまち傷が癒えた。パルジファルは新しい王となることを宣言、聖杯を高く掲げる。合唱が「救済者に救済を!」と歌う。聖杯は灼熱の輝きを放ち、丸天井から一羽の白鳩が舞い降りて、パルジファルの頭上で羽ばたく。クンドリは呪いから解放されてその場で息絶える。

プログラムとキャスト

指揮者: Péter Halász
アムフォルタス: Michele Kalmandy
ティトゥレル: Péter Fried
グルネマンツ: Gábor Bretz
パルジファル: István Kovácsházi
クリングゾール: Krisztián Cser
クンドリ: Andrea Szántó
第一ページ: Ildikó Megyimórecz
第二ページ: Anna Csenge Fürjes
第三ページ: Tivadar Kiss
第四ページ: N.N.
I/1番花の乙女: Lilla Horti
I/2番花の乙女: Laura Topolánszky
I/3番花の乙女: Klára Vincze
II/1番花の乙女: Rita Rácz
II/2番花の乙女: Zsuzsanna Kapi
II/3番花の乙女: Zsófia Kálnay
パルジファルの母 / 天上の声: Mária Farkasréti
第一グラール騎士: Botond Pál
第二グラール騎士: Bence Pataki
若きパルジファル: Benjámin Taba

 

ハンガリー国立歌劇場オーケストラ、合唱団、子供合唱団による演奏

 

作曲家: Richard Wagner
台本作家: Richard Wagner
演出家: András Almási-Tóth
舞台美術家: Sebastian Hannak
衣装デザイナー: Lili Izsák
振付師: Dóra Barta
映像デザイナー: András Juhász
照明デザイナー: Tamás Pillinger
ドラマトゥルク、ハンガリー語翻訳者: Enikő Perczel
英語翻訳: Arthur Roger Crane
合唱指揮者: Gábor Csiki
子供合唱団のリーダー: Nikolett Hajzer

ハンガリー国立歌劇場

ハンガリー国立歌劇場(ハンガリーこくりつかげきじょう、ハンガリー語: Magyar Állami Operaház)は、ハンガリーの首都ブダペストにあるネオルネッサンス建築の歌劇場。

 

概要

 

1858年創設。グスタフ・マーラーが音楽監督を務め、黄金時代を築いた。以後、エルネー・ドホナーニやフェレンツ・フリッチャイ、オットー・クレンペラー、ヤーノシュ・フェレンチクらが歴代音楽監督として名を連ね、リヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンなどの巨匠達も客演指揮を行っている。

初演された主な作品に、バルトークのバレエ「かかし王子」(1917年)、歌劇「青ひげ公の城」(1918年)や、コダーイの歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」(1926年)がある。

歌劇場の専属オーケストラはブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の名称で知られている。

なお、同じくフリッチャイやフェレンチクが音楽監督であったハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)は、この歌劇場のオーケストラとは別団体である。

Attila Nagy
© Nagy Attila
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