フィデリオ

チケットを購入する
PreviousOCT 2025

 

フィデリオ - ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770 – 1827)

 

2幕のオペラ
リブレット:ヨーゼフ・ゾンライトナー、ステファン・フォン・ブロイニング、ゲオルク・フリードリヒ・トライチュケ、ジャン=ニコラ・ブイイ原作
初演:1814年5月23日、ウィーン
ドイツ・オペラ・ベルリン初演:2022年11月25日

13歳以上推奨

 

 

あらすじ

舞台は16世紀末、スペインのセビリャから数キロメートルほどのところの刑務所。

 

第1幕

ヤキーノとマルツェリーネの2人が舞台にいる。ヤキーノはマルツェリーネに「もし結婚してくれるなら」と頼む。しかし彼女は「絶対結婚しない、フィデリオに夢中だから」と返事する。フィデリオはレオノーレの扮装した姿である。(「ねえ、俺たちだけ。」Jetzt, Schätzchen, jetzt sind wir allein)

ヤキーノは退出し、マルツェリーネはフィデリオの妻になりたいと歌う。(「もし私があなたと結ばれていたら」O wär ich schon mit dir vereint)

 

ロッコとヤキーノが、フィデリオを探しながら登場する。フィデリオは、修理したばかりの鎖の重い荷物を運びながら入ってくる。ロッコはレオノーレの技術を褒めるが、彼の控えめな返答は、自分の娘の気を惹くためではないかと誤解する。マルツェリーネ、レオノーレ、ロッコおよびヤキーノは四重唱で、マルツェリーネのフィデリオへの愛について歌う。(「不思議な感情が私を満たす」Mir ist so wunderbar この歌はカノンの四重唱である)

ロッコはレオノーレに、知事がセビリャに出発したらすぐマルツェリーネと結婚して良い、と言う。彼はさらに、金が無ければ幸せになれないと言う。(「もし、余分な金がないなら」Hat man nicht auch Gold beineben)

 

レオノーレは金と同様に重要なものが欲しいと言う。そして、ロッコがある牢屋に立ち入る時は、絶対自分の手伝いを許さず、戻ってくる時は息も絶え絶えなのは何故か、知りたい、と尋ねる。ロッコは、特別の牢屋にいる囚人には会わせられない、その囚人は権力をもつ敵のせいで牢屋で2年間を無駄に過ごしているのだと言う。マルツェリーネは自分の父親に、レオノーレがそのような恐ろしい有様を見ないですむようにして欲しいと言う。対して、ロッコとレオノーレは勇気について歌う。じきにマルツェリーネも歌に加わる。(「大丈夫だ、息子よ」Gut, Söhnchen, gut)

 

ロッコを除く人々が退出する。ドン・ピツァロが護衛と共に登場し,行進曲が演奏される。ロッコはピツァロにメッセージを渡す。それには、ピツァロが暴君であるという告発の調査のために、大臣が抜き打ちで明日来所すると警告されていた。ピツァロは、監禁されているドン・フロレスタンは死んだと思われているし、大臣が見つけられるはずはない、と叫ぶ。代わりにピツァロがフロレスタンを殺してやると歌う。(「は! なんだって」Ha, welch ein Augenblick!)

ピツァロは大臣の到着の時にトランペットを鳴らすように命令する。彼はロッコに金を渡し、フロレスタンを殺すように言うが、ロッコは断る。(「ちょっとだんな。オレは急がないと」Jetzt, Alter, jetzt hat es Eile!)

 

かわりにピツァロは牢獄の中の古井戸の中に墓穴を掘るように命令する。墓穴ができたらロッコは音を出して知らせ、ピツァロは偶然を装って牢獄に入って自分でフロレスタンを殺す、と。

レオノーレはピツァロが筋書きを立てる様子は見ていたが、声は聞こえていなかった。彼女の心は波立つが、夫のことを考えて冷静を取り戻す。(「人間の屑! 何をしているつもり? かかってきなさい、希望は捨てないわ、最後には星が出る」Abscheulicher! Wo eilst du hin? ... Komm, Hoffnung, lass den letzten Stern)

 

ヤキーノはマルツェリーネに結婚を申し込むが、彼女は断る。レオノーレはフロレスタンを見つけたいと思い、哀れな囚人たちが気持ちの良い天気を楽しめるよう、庭を散歩させてはどうか、とロッコに提案する。マルツェリーネも同様に頼み、ロッコも囚人たちを少し自由にするためにピツァロの手を煩わせることに同意する。囚人たちはつかの間の自由を非常に喜び、嬉しそうに歌う。しかし囚われの身であることを思い出して、間もなく静まってしまう。(「なんて嬉しいことか」O welche Lust)

ロッコが再び登場し、ピツァロの了解を取り付けたとレオノーレに語る。ピツァロは結婚を許し、ロッコの牢獄の巡視にレオノーレの同行も許されたと。(「どうだったのか,話そう」Nun sprecht, wie ging's?)

 

ロッコが1時間以内に殺さないければならないと言っている囚人の独房に行くために、彼らは準備する。レオノーレは震えているので、ロッコは残るように言ったが、彼女は行くと言い張る。彼らが出かける準備が整った頃、ヤキーノとマルツェリーネが駆け込み、ロッコに急いで来てほしいと言う。ピツァロが、囚人たちの自由を見て怒り狂っていると言う。(「お父さん,お父さん,急いで」Ach, Vater, Vater, eilt!)

 

彼らが動く前、ピツァロが登場し、説明を求めた。ロッコは、王の命名日を祝っているのだと作り話をして、ピツァロに怒りを収めるように言う。ピツァロは墓穴掘りを急ぐように言い、囚人を再び牢屋に入れるように言う。ロッコ、レオノーレ、ヤキーノ、マルツェリーネは渋々囚人たちを牢屋に戻す。(「さようなら,暖かな日光」Leb wohl, du warmes Sonnenlicht)

 

第2幕

フロレスタンは一人で、牢獄の奥深くの独房にいる。彼ははじめ、神への信頼を歌い、その次にレオノーレが自分を救いにやってくる幻想を見る。(「神よ、ここは暗い」Gott! Welch Dunkel hier!―「人生の春の日に」In des Lebens Frühlingstagen)

 

彼は倒れて眠り込んでしまう。ロッコとレオノーレは彼の墓穴を掘りにやってきて、フロレスタンが眠っているのを見つける。掘りながらロッコはレオノーレを急かす。(「この地下房はとても寒い」Wie kalt ist es in diesem unterirdischen Gewölbe! この歌は墓掘り人夫のデュエットである)

フロレスタンが目覚め、レオノーレは彼に気づく。フロレスタンは、自分がピツァロに囚われていることを思い出し、自分の妻であるレオノーレ・フロレスタンにメッセージを送ってくれと頼むが、ロッコはそれは不可能だと返事する。フロレスタンは一滴でいいから飲み物が欲しいと乞い、ロッコはレオノーレに飲み物をやるように言う。フロレスタンはレオノーレに気づかないが、彼女が天国で報われるだろうと言う。(「良い世界であなたは報われるだろう」Euch werde Lohn in bessern Welten)

彼女は、彼にパンの皮を与えさせてくれと願い出て、ロッコはそれを許す。フロレスタンはそれを食べる。

 

ロッコは命令に従ってピツァロのために警報を鳴らし、現れたピツァロは準備が整ったか尋ねる。ロッコはそうだと言い、レオノーレに立ち去るように命じる。しかし彼女は代わりに物陰に隠れる。ピツァロはフロレスタンに、彼の殺人を告発したのは自分だと明かす。(「彼を殺せ! しかし、その前に彼に知らせてやる」Er sterbe! Doch er soll erst wissen)

ピツァロが短剣を振り回すと、レオノーレが物陰から飛び出してピツァロとフロレスタンの間に立ち、フロレスタンを殺すならその前に妻の自分を殺さなくてはならないと言う。ピツァロは二人を一度に殺すチャンスだと喜ぶ。レオノーレがピストルを取り出すまでは。

 

ちょうどその時、大臣の来訪を知らせるトランペットが聞こえる。兵隊を伴ったヤキーノが現れ、大臣が門で待っていると告げる。ロッコは兵隊たちに、ピツァロに供して上に行くように話す。ピツァロが復讐を誓うのに対して、フロレスタンとレオノーレは勝利の歌を歌い、ロッコはこれから何が起こるのだろうと恐れる。(「復讐の鐘が鳴る」Es schlägt der Rache Stunde)

フロレスタンとレオノーレは共に愛の歌を歌う。(「おお、名付けようのない歓喜よ!」O namenlose Freude!)

時々、ここでレオノーレ序曲3番が演奏される。

 

囚人たちと町の人々が、正義の訪れた日時の歌を歌う。(「この日に敬礼!」Heil sei dem Tag!)

大臣ドン・フェルナンドは暴政は終わったと宣言する。ロッコが、フロレスタンとレオノーレとともに登場し、彼らを助けて欲しいとドン・フェルナンドに頼む。(「助けてください。この哀れな人々を!」Wohlan, so helfet! Helft den Armen!)

 

ロッコは、レオノーレが自分の夫を助けるために、変装してフェデリオとして働いてきたことを説明する。マルツェリーネはショックを受ける。ロッコはピツァロの殺人計画を話し、ピツァロは牢獄へ入れられる。レオノーレの手によってフロレスタンが鎖から解き放され、群衆はレオノーレの夫に対する忠節を讃えて歌う。(「良い妻を娶った者は」Wer ein holdes Weib errungen)

プログラムとキャスト

公演時間:約2時間30分 / 休憩1回
ドイツ語上演、ドイツ語および英語の字幕付き
公演前レクチャー(ドイツ語):各公演の45分前

 

キャスト
指揮者:ステファン・ツィリアス
演出家:デイビッド・ヘルマン
舞台美術、衣装デザイン:ヨハネス・シュッツ
照明デザイン:ウルリッヒ・ニーペル
合唱指導者:ジェレミー・バインズ
ドラマトゥルギー:カロリン・ミュラー=ドーレ
ドン・フェルナンド:アルトゥール・ガーバス
ドン・ピツァロ:ジョエル・アリソン
フロレスタン:オレステ・コズィモ
レオノーレ:ジェーン・アーチボルド
ロッコ:トビアス・ケーラー
マルツェリーネ:リリト・ダフティアン
ジャキーノ:トーマス・チルフォ
第一囚人:ジョン・アーヴィン
第二囚人:タデウシュ・ミレフスキー
合唱:ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
オーケストラ:ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団

フォトギャラリー
Fidelio
Bernd Uhlig
© Bernd Uhlig
Fidelio 2
Bernd Uhlig
© Bernd Uhlig
Fidelio 3
Bernd Uhlig
© Bernd Uhlig
Fidelio 4
Bernd Uhlig
© Bernd Uhlig

ベルリン・ドイツ・オペラ

ベルリンドイツオペラはドイツ・ベルリンのシャルロッテンブルク地区にあるオペラハウスで、ドイツ国内ではではバイエルン国立歌劇場に次ぐ2番目に大きな歌劇場です。ベルリン国立バレエ団の本拠地。

このオペラハウスの歴史は、シャルロッテンブルク地区が 「プロイセンで最も豊かな街」として独立していた時代の「シャルロッテンブルク・ドイツ歌劇場」に遡ります。 1911年よりハインリッヒ・ゼーリンク(Heinrich Seeling)によって設計され、1912年11月7日に開館され、イグナッツ・ヴァルター指揮の下ベートーベン「フィデリオ」が上演されました。 1920年ベルリン行政区新設法により、大ベルリンが設置された際、劇場の名前は1925年に「ベルリン市立歌劇場」となります。

オペラ座がナチス政権のコントロール下にあった1933年その名称は「ベルリン・ドイツ・オペラ」とされ、ベルリン州立歌劇場と覇を競い1935年に建物は座席数を減らして改築されますが1943年11月23日に爆撃を受け、破壊されてしまいます。

戦後、西ベルリンに新設され、1961年9月24日に現在の名称「ベルリン・ドイツ・オペラ」としてモーツァルトの「ドン・ジョバンニ」をもって開場されます。

座席数1900

© Günter Karl Bose
© Bernd Uhlig
© Bettina Stöß
© Bernd Uhlig
類似したイベント