ラ・ボエーム

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ラ・ボエーム - ジャコモ・プッチーニ
アンリ・ミュルジェ作「ボヘミアン生活の情景」より、4つの場面
台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイジ・イッリカ
イタリア語上演、ドイツ語と英語の字幕付き
初演:1983年10月23日

 

心に響く:幸福を探し求める若者たちの物語。

 

 

あらすじ

場所:パリ

時代: 1830年代

 

第1幕

パリにある、ボヘミアン仲間が暮らす屋根裏部屋。クリスマス・イヴ。

画家・マルチェッロと詩人・ロドルフォが火の気の無い部屋で仕事をしている。寒さに耐えかねてロドルフォが売れ残りの原稿を暖炉にくべる。「世界の損失だ」などと軽口をたたいていると、哲学者コッリーネが帰ってきて、何も金になることがなかったとぼやく。そこへ音楽家ショナールが食料・薪・煙草などを運ぶ従者たちとともに意気揚々と入ってくる。ショナールはこれらをどうやって稼いだかを得意げに語るが、誰も耳を貸さず貪るように食料に飛び付く。しかし、ショナールはワイン以外は取り置いて、「今夜はクリスマス・イヴなのだから、皆でカフェ・モミュスに繰り出そう」と提案し、一同大賛成する。

そこへ家主のブノアが未払い家賃の催促にやってくる。ボヘミアンたちは家主にショナールの金を見せて安心させ、ワインをすすめておだてる。家主が酔った勢いで、妻があるにもかかわらず浮気をしていたことを語ると、一同憤慨したふりをして家主を部屋から追い出してしまう。

 

彼らは家賃になるはずの金をカフェ・モミュスでの飲食費として分けあう。皆出かけるが、ロドルフォは書きかけの原稿があるといって1人残って書きつづける。

そこに誰かがドアをノックする。お針子のミミがカンテラの火を借りに来たのだが、めまいを起こして床に倒れ込む。ロドルフォに介抱されて落ち着いたミミは火を借りて礼を言い、立ち去る。しかし、彼女は鍵を落としたといって戻ってくるが、戸口で風が火を吹き消してしまう。再度火を点けようと、近寄ったロドルフォの持つ火もまた風で消えてしまう(ロドルフォが、わざとローソクの火を吹き消す演出もある)。しかたなくふたりは暗闇で鍵を探す。ロドルフォが先に見つけるが、彼はそれを隠しミミに近寄る。そして彼女の手を取り、はっとするミミに自分のことを詩人らしく語って聞かせる(「冷たい手を」)。続いてミミも自己紹介をする(「私の名はミミ」)。一向に降りてこないロドルフォを待ちかねた仲間が「まだか」と声をかける。ロドルフォは「今ふたりでいる、直ぐに追いつくから席を2人分取っておいてくれ」と言う。仲間たちは気を利かせて先に行くことにする。まだ愛を確認したいロドルフォだが、ミミが仲間と一緒に行きたいと言うので後を追ってパリの街に出かけることにする。ふたりの愛情のこもった二重唱で幕がおりる。

 

第2幕

カフェ・モミュス

クリスマスを祝う群衆で賑わう通りで、物売りが口々に声を張り上げている。ボヘミアン仲間はカフェに集まり食事を始める。ロドルフォはミミに帽子を贈る。そこにマルチェッロの元の恋人ムゼッタが金持ちのパトロンのアルチンドロとともにやってくる。

 

彼女は頻りにマルチェッロの気を引こうとする(「私が街をあるけば」)。マルチェッロはそれを意地でも無視しようとするのでムゼッタはさらに誘惑を続け、アルチンドロはうろたえる。ついにムゼッタは靴がきつくて足が痛いと騒ぎ出し、アルチンドロを靴屋へ修理に行かせる。さきほどからムゼッタへの想いを絶ちきれずにいたマルチェッロと邪魔者がいなくなったムゼッタは互いに抱きあう。彼らは勘定を済ませようとするが、手持ちの資金が底をついている。ムゼッタは自分と彼らの支払いをアルチンドロに払わせることにする。そこへ帰営する軍隊の列が通りかかり、その見物の喧騒に紛れて逃げることにする。マルチェッロとコッリーネは片足はだしで歩けないムゼッタを抱え列の後を追い、周りで見ていた人々はその意気揚々とした姿を見て喝采を送る。その他の人々も列の後を追う。全員が立ち去った後アルチンドロが靴を持って戻りムゼッタを探す。ギャルソンが彼に勘定書きを手渡すと、アルチンドロはその額に驚き、そしてその場に誰もいないのを知って、その場で椅子に座り込み第2幕を閉じる。

 

第3幕

アンフェール門(ダンフェール・ロシュロー広場)の市外との関税所前。翌年2月。

明け方、衣服行商人が市内に現れ、他にも様々な商人の行き来がある。居酒屋でムゼッタの歌声が聞こえる。ミミが登場し激しく咳き込み、居酒屋にマルチェッロを訪ねる。彼はここで看板を描いているという。ミミはマルチェッロに、ロドルフォとの生活がうまくいかない悩みを打ち明ける。彼は嫉妬深く、自分に冷たいというのだ。ついにロドルフォは昨夜ミミを置いて家を出たという(「助けてマルチェッロ」)。マルチェッロは、ロドルフォは宿屋で眠っていると答える。そこへロドルフォが目を覚まし、マルチェッロを探しに出てくるのでミミは隠れる。ロドルフォはミミのことを問うマルチェッロに、彼女の病気が重く、自分と暮らしていては助からないので別れなくてはならないと打ち開ける。

マルチェッロは陰で聞いているミミのことを案じ、彼を黙らせようとするが彼女はすでにロドルフォの話をすっかり聞いてしまう。彼女が泣きながら咳き込むのでロドルフォも彼女に気付き、心配しておおげさに言っただけだから心配ないと彼女を慰める。

 

居酒屋のムゼッタの嬌声を聞いてマルチェッロが店に駆け込む。彼は彼でムゼッタの奔放な性格に手こずっていたのだ。

ふたりきりになると、彼の配慮を感じたミミはロドルフォに別れを告げる。以前住んでいた屋根裏部屋に戻ること、身の周りの細々したものを誰かに取りに行ってもらうことなどを淡々と語るが、「以前買ってもらったあの帽子だけは、良かったら私の思い出にとって置いて欲しい」と別れを言う(「あなたの愛の声に呼ばれて出た家に」)と、ロドルフォも彼女をいたわりつつ別れの言葉をかわす(「さらば甘い目覚めよ」)。ふたりの歌に並行して、居酒屋から出てきたムゼッタとマルチェッロが激しく言い争って喧嘩別れして行く。ロドルフォとミミが第1幕最後の愛の言葉を交わす二重唱の一節を繰り返して幕が下りる。

 

第4幕

再び屋根裏部屋。数か月後。

ロドルフォとマルチェッロが仕事をしているが、ふたりとも別れた恋人の事が思い出されて仕事にならない(「ああミミ、君はもう戻ってこない」)。ショナールとコッリーネが食料を持って帰り、4人はいかにも豪勢な食事であるかのように芝居をしながら食べる。演技に興じて決闘のまねごとをしているところに、ムゼッタが血相を変えて駆け込んでくる。

ミミと戸口までいっしょに来たが彼女は今そこで倒れた、というのでロドルフォは急いで助けに行く。ムゼッタは金持ちの所で世話になっていたミミが、死ぬ前にひと目ロドルフォに会いたいというので連れて来たことを3人の仲間に語る。ミミはロドルフォ、仲間たちとの再会を喜ぶ。彼女をベッドに寝かせると、ムゼッタはミミの手を温めるためのマフを取りに、マルチェッロはムゼッタのアクセサリを売って薬を買うために揃って出て行く。コッリーネは瀕死のミミのために自分の古着を質に入れようと、ショナールを誘って部屋を去る(「古い外套よ」)。

 

ふたりきりになると、ミミはロドルフォに話しかける(「みんな行ってしまったのね」)。ロドルフォが例の帽子を見せるとミミは喜び、2人の出会いと幸せな暮らしのことを語りあう(「ああ、僕のミミ」)。しかしミミは再び気を失い、ロドルフォが声を出すと外で様子をうかがっていたショナールたちが駆込んで来る。ミミは再び目覚め、ムゼッタが持ってきたマフで手が温まると喜ぶ。そのまま眠りにつくミミの傍らでムゼッタは聖母マリアに祈る(ムゼッタの祈り)。ショナールがふとミミを見ると彼女はすでに息絶えていた。そっと皆に知らせると、ロドルフォは周りのただならぬ様子に事態を察し、ミミの亡骸にすがりついて泣き臥す。さきほどのミミが歌ったモティーフをオーケストラが強奏で繰り返して幕となる。

プログラムとキャスト

ミミ:マルジュッカ・テッポネン(2024年10月20日、2024年5月17日、24日、2025年6月15日、21日)、エルベニタ・カジタジ(2024年10月20日、2025年6月27日)、トゥーリ・タカラ(2024年12月19日、3月1日、6月21日) 2025 年 21 日)

ムゼッタ:スラフカ・ザメチニコヴァー(2024年10月20日、2025年3月1日、2025年6月21日)、ロザリア・シド(2024年10月20日、12月19日、2025年5月17日、24日、6月15日、21日、27日)

ロドルフォ:トミスラフ・ムジェク(2024年10月20日、2025年6月15日、21日、27日)、ベフゾド・ダヴロノフ(2024年10月20日、12月19日、2025年5月24日、6月21日)、ロング・ロング(2025年3月1日、5月17日) )

マルチェロ: ダニーロ・マトヴィエンコ (2024年10月20日、2025年3月1日)、ナヴァサード・ハコビアン (2024年10月20日、12月19日、2025年5月17日、6月21日)、クリストフ・ポール (5月24日、15日、21日、6月27日) 2025)

ショナール: ゲリット・イレンバーガー (2024年10月20日、12月19日)、ネヴェン・クルニッチ (2024年10月20日、2025年5月24日、6月15日、21日、27日)、アントン・ベリャエフ (2025年3月1日、5月17日、6月21日)

コライン:アレクセイ・クラギン(2024年10月20日、2024年5月17日、24日、2025年6月21日)、アレクサンドロス・スタブラカキス(2024年10月20日、2025年3月1日)、アレクサンダー・コペツィ(2024年12月19日、15日、21日、6月27日) 、2025)

ブノワ: ハンス・ヨアヒム・ケテルセン

アルシンドロ: ベルント・ツェティッシュ

パルピニョール:フランク・ブルメル(2024年10月20日、12月19日、2025年3月1日、5月17日、24日、2025年6月15日、21日、27日)、バン・ジュンソク(3月1日、17日、24日。5月、6月15日、21日、 2025 年 27 日)

税関警備軍曹: ホルガー・シュタイナート(2024年10月20日、12月19日、2025年3月1日、5月17日、24日、6月15日、21日、27日)、マティアス・ボイトリヒ(2024年10月20日)、ノルベルト・クレッセ(3月1日、5月17日) 、2025年6月24日、6月15日、21日、27日)

税関職員: アンドレアス・ハインゼ

ディーラー: Hyunkwang Jo (2024年10月20日、12月19日)、Michael Auenmüller (2024年10月20日、2025年3月1日、5月17日、24日、6月15日、21日、27日)

 

音楽監督: アントネッロ・アレマンディ (2024年10月20日、12月19日、2025年3月1日)、ステファノ・ランツァーニ (2025年5月17日、24日、6月15日、21日、27日)

制作: クリスティーン・ミエリッツ

ステージ&衣装:ピーター・ハイライン

ライト: フリーデヴァルト・デーゲン

合唱団:ジョナサン・ベッカー

児童合唱団: クラウディア・セバスティアン・ベルチュ

ドラマツルギー: マティアス・ランク

 

ザクセン州立歌劇場合唱団ドレスデン
ドレスデン・ゼンパーオーパー児童合唱団
ザクセン州立管弦楽団ドレスデン

フォトギャラリー
Semperoper Dresden/Klaus Gigga
© Semperoper Dresden/Klaus Gigga
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© Semperoper Dresden/Klaus Gigga
Semperoper Dresden/Klaus Gigga
© Semperoper Dresden/Klaus Gigga

ゼンパー・オーパー

ゼンパー・オーパーはドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンにある州立歌劇場です。

専属のオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンはデンマーク王立管弦楽団に次ぐ世界最古のオーケストラと言われています。建築家ゴットフリート・ゼンパーにより設計され、1841年4月13日カールマリア・フォン・ウェーバーの作品によって開館。1843年から1849年までは作曲家のリヒャルト・ワーグナーが指揮を務めており、「タンホイザー」「さまよえるオランダ人」の初演を行っています。

1869年、劇場は火災で焼失し、ゼンパーが改めて基本設計を行い、再建開始され、1878年完成します。

第二次世界大戦末1945年英米軍のドレスデン爆撃により瓦礫の山となりますが、1977年復興が始まり、1985年に完成し、現在の建物となります。

戦後、東ドイツ時代は国立の歌劇場でドレスデン国立歌劇場と呼ばれていたが、1990年ドイツ再統一に伴い、州立の歌劇場となります。

 

 

Semperoper Dresden
By Sebastian Terfloth User:Sese_Ingolstadt - own work by © Semperoper Dresden/Klaus Gigga
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