ルサルカ

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3幕のリリック・フェアリーテイル
音楽:アントニン・ドヴォルザーク
リブレット:ヤロスラフ・クヴァピル

 

あらすじ

 

第1幕

ルサルカは、森の奥にある湖に住む水の精。ある日人間の王子に恋をし、魔法使いイェジババに人間の姿に変えてもらう。ただし、人間の姿の間はしゃべれないこと、恋人が裏切った時にはその男とともに水底に沈む、というのがその条件であった。美しい娘になったルサルカを見た王子は、彼女を城に連れて帰り、結婚する。

 

第2幕

結婚の祝宴でも口をきかないルサルカを、冷たい女だと不満に思った王子は、祝宴にやってきた外国の王女に心を移してしまう。祝宴の中、居場所をなくしたルサルカが庭へ出ると、水の精によって池の中に連れ込まれてしまう。王子は恐怖のあまり、王女に助けを求めるが、王女は逃げ去る。

 

第3幕

森の湖へ移されたルサルカに魔法使いは、元の姿に戻すには裏切った男の血が必要だと語り、ナイフを渡す。ルサルカは王子を殺すことはできないとナイフを捨ててしまう。ルサルカを探して王子が湖にやってくる。そこで彼は妖精たちから自分の罪を聞かされ、絶望的にルサルカを呼ぶ。王子はルサルカに抱擁と口づけを求める。それは王子に死をもたらすのだとルサルカは拒むが、王子は「この口づけこそ喜び、幸いのうちに私は死ぬ」と答える。ルサルカはもはや逆らうことをやめ、王子を抱いて口づけ、暗い水底へと沈んでゆく。

プログラムとキャスト

チェコ語で上演、イタリア語と英語の字幕付き
上演時間:約3時間30分、2回の休憩あり

 

オペラシーズン2024/25のオープニング

 

指揮者 | ダン・エッティンガー
演出と舞台設計 | ドミトリー・チェルニアコフ ♭
衣装デザイン | エレナ・ザイツェワ ♭
照明デザイン | グリェブ・フィルシュティンスキー ♭
ビデオ | 後日発表
ドラマトゥルギー | タチアナ・ヴェレシャギナ ♭

 

キャスト
プリンス / Il principe | アダム・スミス ♭
外国の姫君 / La principessa straniera | エカテリーナ・グバノワ
ルサルカ、水のニンフ | アスミク・グリゴリアン ♭
水の精霊 (オンディン) / Lo spirito delle acque | ガボール・ブレッツ ♭
ババ・ヤガ、魔女 / La strega | アニータ・ラハヴェリシュヴィリ
猟師 / Il guardiacaccia | ピーター・ホアー ♭
給仕 / Lo sguattero | マリア・リッカルダ・ウェッセリング ♭
第1の森の精霊 / Prima ninfa del bosco | ジュリエッタ・アレクサニアン ♭
第2の森の精霊 / Seconda ninfa del bosco | ユリア・マリア・ダン ♭
第3の森の精霊 / Terza ninfa del bosco | バレンティーナ・プルジュニコワ
猟人 / Il cacciatore | アンドレイ・ジリホフスキー ♭

 

♭ サン・カルロ劇場でのデビュー

 

サン・カルロ劇場オーケストラと合唱団
合唱指揮者 | ファブリツィオ・カッシ

 

サン・カルロ劇場の新プロダクション

サン・カルロ劇場 ナポリ

 

 

サン・カルロ劇場はイタリア・ナポリにある歌劇場で、劇場としてはヨーロッパで現役最古のものである。資金不足のため1874年-1875年のシーズンが中止された以外、定期公演が中止されたことがない点でも特筆される。

サン・カルロ劇場は、ナポリに劇場があることを望んだブルボン朝ナポリ王国の初代王カルロ によって建造された。開場は1737年11月4日、演目はピエトロ・メタスタージオ台本、ドメニコ・サッロ音楽のオペラAchille in Sciroであった。この時サッロはオーケストラの指揮も行い、幕間にはグロッサテスタの2つのバレエも演じられた。この劇場はその建築、金装飾、および豪華壮麗な青色(ブルボン家の色であった)の布張装飾で有名となった。

1816年2月12日、サン・カルロ劇場は火事により焼失するが、両シチリア王フェルディナンド1世の命により僅か10か月にして再建される。現在の建築はこの再建建築と基本的には同一であり、変化はヴェルディの提案したオーケストラ・ピットの設置(1872年)、電気照明の導入および中央シャンデリアの撤廃(1890年)、入口ロビー並びに楽屋棟の建築、に限られている。

1817年1月12日、再建された劇場はマイールの「パルテーノペの夢」(Il sogno di Partenope)で再オープンする。スタンダールはこの公演の2夜目を聴いており「ヨーロッパのどこにも、この劇場に比べ得るどころか、この劇場の素晴らしさの足許に及ぶところも存在しない。ここは人の目を眩惑し、ここは人の魂を狂喜させる」と書き記している。

1815年から1822年まで、ロッシーニはこのサン・カルロ劇場を含めたナポリ王国全ての王立オペラ劇場の劇場付作曲家・兼音楽監督であり、「オテロ」「湖上の美人」を含む9つのオペラがこの時期書かれた。

ジュゼッペ・ヴェルディもまたこの劇場と縁深い一人である。必ずしも彼の傑作とは言いがたいが、「アルツィラ」および「ルイザ・ミラー」はサン・カルロ劇場のために書かれた作品である。「仮面舞踏会」も本来はこの劇場のためのオペラだったが、スウェーデン国王が暗殺されるという筋書自体が王国であるナポリでは検閲で不許可とされ、舞台をアメリカ・ボストンに、初演地もローマに変更しての公演となった。

20世紀に入って、サン・カルロは革新的な支配人アウグスト・ラグーナを迎える。彼は1920年からの10シーズンをすべてワーグナー作品で開幕するという、当時のイタリアでは異例のプログラムを組み、またリッカルド・ザンドナーイ作曲、ガブリエーレ・ダンヌンツィオ脚本のオペラ「フランチェスカ・ダ・リミニ」などの新作オペラの初演にも熱心だった。

第二次世界大戦で大きな損害がなかったことも幸いして、サン・カルロ劇場は戦後いち早くイギリスへの引越公演(1946年)を行うなど、オペラ劇場としての機能を回復した。その革新的伝統は戦後も継続し、たとえばアルバン・ベルクの「ヴォツェック」のイタリア初演(1949年、カール・ベーム指揮)などが行われている。

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