蝶々夫人

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マダム・バタフライ、G. プッチーニ作
2幕のオペラ
カタロニア語、スペイン語、英語の字幕付きオペラ。

 

あらすじ

時と場所:1904年の長崎。

 

第1幕

アメリカ海軍の戦艦エイブラハム・リンカーン所属の海軍士官ピンカートン(Pinkerton)は日本人の少女と結婚することになった。

結婚斡旋屋のゴロー(Goro)が、長崎にきたピンカートンに、結婚後に暮らす丘の麓の家や、下女のスズキ(Suzuki)や下男を紹介して機嫌を取っている。

そこへ駐長崎領事のシャープレス(Sharpless)がやってくる。ピンカートンはここでアリア「ヤンキーは世界のどこへ行っても」を歌う。シャープレスは優しい心の男であり、ゴローが紹介した少女がこの結婚が永久の縁と堅く信じていることを思い出し、戸惑う。だがピンカートンは、この結婚も一時の愛だとシャープレスの危惧を一笑に付すのであった。

 

そこへ蝶々さん(Cio-Cio-San)が芸者仲間とともに現れる。このとき「さあ一足よ」を歌う。シャープレスが可憐なこの15歳の少女に身の上を問うと、実家は大村の没落士族の家であると答え、父から頂いた切腹のための刀の入った箱を披露する。それにより、座は一時しらけてしまうが、ゴローによって結婚式の準備が進められる。蝶々さんは前日にキリスト教に改宗したことを告げる。 三々九度など一連の結婚の儀式が済んだ頃、蝶々さんの叔父のボンゾ(Bonze)が現れる。彼は蝶々さんの改宗を怒って詰問するが、ピンカートンに追い払われる。うろたえる蝶々さんを慰めるピンカートン。2人はここで愛の二重唱「可愛がってくださいね」を歌う。

 

第2幕

結婚式から3年が過ぎた。ピンカートンは任務が終わり、アメリカ合衆国に帰ってしまっていた。彼は蝶々さんに「コマドリが巣を作る頃には帰ってくる」と約束していた。蝶々さんの忠実な下女スズキは彼は既にそれらを反故にしたのではと疑うが、ピンカートンを信頼する蝶々さんにとがめられる。 きっと夫は帰ってくると信じてやまぬ蝶々さんは、ここでアリア「ある晴れた日に」を歌う。

 

その頃、シャープレスはピンカートンがアメリカ本国でアメリカ人女性と結婚したことを本人の代わりに蝶々さんに告げることになっていた。しかし蝶々さんの夫への信頼を見た彼は、それを壊すようなことはできなかった。蝶々さんはピンカートンの手紙を見て喜ぶ。そこへゴローが裕福な紳士ヤマドリ公(Prince Yamadori)を連れてやってくる。ヤマドリ公は蝶々さんに結婚を申し出るが、夫からの手紙に喜んでいる蝶々さんはそれを拒否する。ゴローは蝶々さんは離婚された妻であると説明しようとしたが、蝶々さんは激しく断る。「それは日本の習慣に過ぎない。今の私はアメリカ人である」と。ゴローとヤマドリ公がすごすごと帰ってしまうと、シャープレスと蝶々さんは「友よ、見つけて」を歌う。

 

そして、シャープレスがピンカートンが帰ってこなければどうするのか、と蝶々さんに問うと、芸者に戻るか、自刃するしかないと答え、困惑したシャープレスが「ヤマドリ公の申し出を受けてはどうか」と勧めると、「あなたまでがそんなことを言うのか」と怒り、シャープレスに彼女とピンカートンとの子供を見せ、「わが夫がこの子を忘れようか」と言い放ち、「子供のために芸者に戻って恥を晒すよりは死を選ぶわ」と泣き叫ぶ。シャープレスはいたたまれずに去っていく。

 

スズキは蝶々さんの悪評を拡げようとするゴローを捕まえる。蝶々さんにとって悪い話が次々と届く中、遠くにピンカートンの所属艦エイブラハム・リンカーンが兵員の到来を礼砲で告げた。それを望遠鏡で見つけた蝶々さんとスズキは喜び、家を花で飾り、二重唱「桜の枝を揺さぶって」を歌う。そして自分達と子供を盛装させ、障子を通して、ピンカートンの帰りを凝視する。夜が過ぎ、長いオーケストラとのハミングコーラスのパッセージが演奏される中、スズキと子供は眠ってしまう。蝶々さんは決して後悔していなかった。

 

第3幕

夜が明けた蝶々さんの家。蝶々さんは寝ずの番をしていた。スズキは目覚め、子供を蝶々さんのもとへ連れて行く。スズキは憔悴した蝶々さんを休むよう説き伏せる。ピンカートンとシャープレスが登場し、スズキに恐るべき真実を告げる。しかし、ピンカートンは罪悪感によって深く打ちひしがれ、自身を恥じていた。余りに卑劣なことで自分の口から蝶々さんに告げることはできず、彼は義務を放り出して去ってしまう。このときピンカートンはアリア「さらば愛の巣」を歌う。スズキは、はじめは猛烈に怒っていたが、シャープレスから、蝶々さんが子供を渡してくれれば、ピンカートンのアメリカ人妻がその子を養育するということを聞き、説き伏せられてしまう。

 

蝶々さんはピンカートンと会えると思い、目を輝かせて登場する。しかしピンカートンの代わりに彼のアメリカでの妻ケイト(Kate Pinkerton)と対面させられる。蝶々さんは感傷的な穏やかさをたたえつつ真実を受け止め、礼儀正しくケイトを祝福した。これで平穏が見いだされるであろうと。それから、ケイトやシャープレスにお辞儀をし、子供を渡すことを約束する。そしてスズキに家の障子を全部閉めさせ一人きりになる。障子越しに侍るスズキに対しては、「子供を外で遊ばせるように」と命じて下がらせる。

 

蝶々さんは仏壇の前に座り、父の遺品の刀を取り出し、「名誉のために生けることかなわざりし時は、名誉のために死なん(Con onor muore chi non puo serbar vita con onore.)」の銘を読み自刃しようとするが、そこへ子供が走ってくる。蝶々さんは子供を抱きしめアリア「さよなら坊や」を歌い、子供に目隠しをし、日米の国旗を持たせる。そして、刀を喉に突き立てる。今際の際でも子供に手を伸ばす蝶々さん。そこへ異変を聞きつけたピンカートンとシャープレスが戻ってくるが、とき既に遅く、蝶々さんは息絶える。幕。

プログラムとキャスト

上演時間: 約120分 - 15分の休憩付き

 

Orquestra NovAria Filharmonia
Cor NovAria
Ballet NovAria
アドルフ・ガッソル、指揮者
マルタ・フィネストレス、合唱指揮者
セルジ・ヒメネス、舞台管理
サラ・ザイ、国際ディレクション
NovAria Artists、ステージ設営
ベン・アイシット、制作・コミュニケーション
ヌリア・セラ、振付
ホセプ・アブリル、衣装デザイナー
アレグラ・アブリル、アシスタント衣装デザイナー
アルバロ・デュラン、演出家
マール・ロルカ、アシスタント演出家
イメスデ、照明
ロジェ・グリーニョ、キャラクター設定

 

キャスト:
サラ・ザイ・ストラウス、パオラ・アリザ、カロリーナ・ファハルド、マダム・バタフライ
ビセンツ・エステベ、セルジ・ヒメネス、カルロス・コシアス、ファクンド・ムニョス、F.B. ピンカートン
アルベルト・カセス、ネスター・ピンダド、シャープレス
クリスティーナ・セグーラ、ソフィー・バーンズ、スズキ
ホセ・カブレロ、ホルディ・カサノバ、ゴロ
アレックス・シェレット、ロドリゴ・アギラール、帝国コミッサリオ
クリスチャン・バジェステ、ルイス・ベルヘス、ジオ・ボンゾ
カルロス・レスカーノ、ウッフィツィアーレ・レジストロ
アナスタシア・アプレウテシ、アレクシア・バスケス、ケイト・ピンカートン
ロドリゴ・アギラール、ビクター・アロンソ、ジオ・ヤクシデ
カルメ・グティエレス、ジア
エヴァ・リバス、クジーナ
パメラ・グイディ、ママ
アルレット・フェルナンデス・リバス、マダム・バタフライの息子

カタルーニャ音楽堂

カタルーニャ音楽堂は、スペイン、バルセロナにあるコンサートホール。1997年、サン・パウ病院とともに、バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院としてユネスコの世界遺産に登録されました。

カタルーニャ音楽堂は建築家リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネーによってムダルニズマの様式で設計されたコンサートホールである。1905年から1908年にかけて、カタルーニャ・ルネサンスにおいて指導的役割を果たした合唱団、ウルフェオー・カタラーのために建設された。建設にあたってはバルセロナの篤志家たちの財政支援も受けている。この音楽堂の建設によりドメネクは1909年にバルセロナ市より賞を受けた。

1982年から1989年にかけてオスカル・トゥスケッツとカルラス・ディアスによる大規模な修復が行なわれた。1997年、カタルーニャ音楽堂はユネスコの世界遺産に登録され、今日では毎年50万人以上の人々が交響楽や室内楽、ジャズ、伝統音楽などを楽しむためにこのホールを訪れている。

サン・パウ病院とともに、20世紀初頭のバルセロナにおけるアールヌーボー様式を伝えるものとして世界遺産に登録された。

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