カルメン ウィーンオペラ
MAY 2025 | ||||||
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カルメン
作曲:ジョルジュ・ビゼー
初演:1875年3月3日 パリ、オペラ・コミック座
台本:ルドヴィック・アレヴィ、アンリ・メイヤック(フランス語)
あらすじ
登場人物
カルメン(メゾソプラノまたはソプラノ):タバコ工場で働くジプシーの女
ドン・ホセ(テノール):衛兵の伍長
ミカエラ(ソプラノ): ホセの許婚
エスカミーリョ(バリトン): 闘牛士
スニガ(バス):衛兵隊長、ドン・ホセの上官
モラレス(バリトンまたはテノール):士官
ダンカイロ(バリトンまたはテノール):密輸商人
フラスキータ(ソプラノ):カルメンの友人
メルセデス(メゾソプラノ ただしソプラノとする楽譜もある):カルメンの友人
レメンタード(テノール):ダンカ
リリャス・パスティア(台詞役):居酒屋の主人
【第一幕】
セビリャのタバコ工場の前の広場
セビリャの町を警備している竜騎兵の所に村娘のミカエラが許婚の伍長ドン・ホセを訪ねてくる。
仕官のモラーレスはホセは次の当番兵なので、ここで一緒に待つように彼女に言うが、ミカエラは「また来ます。」といって立ち去る。
暫くすると、交替の兵士たちがやって来て、ホセは交替の引継ぎを受ける。
タバコ工場が休憩時間になって、女工達が広場にやって来る。
そこには若い男達もやって来てお目当てのカルメンを待っている。
現れたカルメンは男たちを尻目に、生真面目に警備に当たっているホセに流し目を送ってハバネラ《恋は野の鳥》を歌う。
歌い終わったカルメンは赤い花をホセに投げて、女工達と工場へ戻っていく。
残ったホセは投げられた花を広い、まるで魔力にかかったように彼女に惹かれる。
そこにミカエラが現れて、ホセに母の便りを伝え、母からのキスをミカエラから代わりに受ける。
清々しい気持ちになったホセは間もなくミカエラと結婚しようと心に誓う。
ミカエラが帰った後、工場が騒がしくなって、カルメンが他の女工と喧嘩をして相手を傷つけて飛び出してくる。
警備兵達は女工達を鎮めて、隊長のスニガはカルメンを縛り上げるようにホセに命じる。
皆が立ち去り、ホセと二人きりになったカルメンはセギディーリャ《セビリャの砦の近くに》を歌って彼を誘惑し、縄を解くようにと口説く。
最初は取り合わなかったホセも遂に彼女の誘惑に負けて。リーリャス・パスティアという居酒屋で会う約束を取り付けて縄を解いてしまう。
スニガが命令書を持って現れ、護送を命じる。ホセがカルメンを橋の上まで引っ立てた時、彼女はホセを突き飛ばしそのまま逃げ去ってしまう。
【第ニ幕】
居酒屋リーリャス・パスティア
カルメンがスニガらを前にしてジプシーの歌《賑やかな楽の調べ》を歌っている。
スニガは彼女のせいで牢に入っていたホセが自由の身になったことを伝える。
皆が店を出ようとした時、闘牛士のエスカミーリョが現れてトレアドールと高らかに《諸君の乾杯を喜んで受けよう》を歌い大歓迎を受ける。
エスカミーリョはカルメンに名前を訊ね、気を惹こうとする。
皆の騒ぎが収まったところに密輸業者のダンカイロらが現れて、カルメンら女工達を怪しい仕事に引き込もうとする。
その話に直ぐに乗った女工達が早速店を出ようとするが、カルメンは今夜は男を待っているからと断る。
遠くから《アルカラの竜騎兵》を歌いながらホセが現れ、カルメンは喜んでカスタネットを鳴らしながら踊り始める。
そこに帰営のラッパが響き、ホセは帰らなければならないとカルメンに言うが、それを聞いたカルメンは怒り出してしまう。
カルメンは自分を愛しているのならば兵隊を辞めて自由な流離の生活をしようとホセを惑わす。
ホセは広場で彼女が投げて行った花を手に《お前が投げたこの花は》を切々と歌う。
そこにスニガが戻ってきて、ホセの姿を見て、兵隊は帰営するのだと怒鳴る。
カッとしたホセは思わず剣を抜いてしまう。密輸業者達が仲裁をし、カルメンがホセの肩を持つのでスニガは態よく追い出されてしまう。
上官に剣を抜いてしまったホセは脱走兵となって密輸業者の仲間に加わることになる。
【第三幕】
山の中の密輸業者の休憩地
フラスキータとメルセデスがカルタを初め、そこにカルメンが加わって占いをすると、まず自分が死んで次にホセが死ぬと占ってしまう。
カルメンは不吉に思って何度も繰り返し占いをするが同じ結果で出るので恐怖に駆られる。
密輸業者達が荷物運びを始め、ホセだけが見張りに一人残る。
ミカエラが現れて静かに《何も怖れるものはない》を歌って、恋人を取り戻す勇気を与えたまえと神に祈る。
人影に気付いたホセが銃を撃つ。
ミカエラが岩陰に隠れるとエスカミーリョが現れ、ホセは彼が恋敵であると知って短剣で決闘を申し入れる。
あわや彼を倒す寸前にカルメンが現れて、エスカミーリョを助けて逃がしてやる。
ミカエラも岩陰から見つけ出される。ミカエラはホセの母が病気だと彼に伝えるので、ホセはカルメンの心変わりに激しい嫉妬を感じながらも山を降りていく。
【第四幕】
セビリャの闘牛場の前
闘牛が開催される日。群集が沸き立つなかエスカミーリョはカルメンとともに現れ歓声の中闘牛場に入場していく。
その時、フラスキータとメルセデスが彼女の側に走りよって、ホセが来ているので注意するようにと告げる。
カルメンは話をつけると言ってその場に残りホセを待つ。
皆が入場し、ホセと二人きりになったカルメンは、彼に愛想を尽かす。
ホセは何でもすると言って哀願するが、カルメンは取り合わず、聞こえて来る闘牛の歓声の方とエスカミーリョの元へ行こうとする。
嫉妬に狂ったホセは彼女の胸に短剣を突き刺し、崩れ落ちた彼女の上に身を投げて号泣する。
プログラムとキャスト
舞台監督: ロッテ・デ・ビア
セットデザイン: クリストフ・ヘッツァー
衣装デザイン: ジョリーヌ・ファン・ベーク
振付: ゲイル・スクレラ
合唱指揮: ロジャー・ディアス・カハマルカ
照明デザイン: アレックス・ブロック
フォルクスオーパー・ウィーン
フォルクスオーパーへのアクセス
地下鉄:U6
トラム:40 、 41 、 42
バス:40A
停車駅:ヴェーリンガーシュトラッセ/フォルクスオーパー(Währinger Straße/Volksoper)
タクシー乗り場は環ヴェーリンガーギュルテル(Währinger Gürtel・環状道路)沿いに位置しています。
又、公演終了時にはタクシーが劇場前に待機していますので、ホテルまでのお帰りがご心配な方にはタクシーのご利用をお勧めします。
フォルクスオーパーについて
ウィーン・フォルクスオーパーはウィーンでは国立歌劇場についで2番目に大きな歌劇場で、オペレッタ、オペラ、ミュージカル、バレエなど洗練された軽音楽が上演されます。
毎年9月から6月迄のシーズン内に約300公演、35演目が上演され、オペラ「魔笛」「トゥーランドット」、ミュージカル「マイ・フェア・レディー」、バレエ「真夏の世の夢」を始め、多大なレパートリーを誇ります。そして、何と言っても「こうもり」「メリー・ウィドー」「チャルダッシュの女王」「ワルツの夢」他、ウィーン特有のオペレッタはフォルクスオーパーの最も得意ジャンルとして常に生きる喜びに溢れた舞台音楽を堪能できます。
歴史
1898年、当時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の即位50周年を記念し、建築家のフランツ・フライヘア・フォン・クラウスとアレクサンダー・グラフによって建設され、同年12月14日に開館しました。
1906年にはアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーが初代指揮者に就任。1907年に「トスカ」、1910年に「サロメ」が初めて上演され、世界的に有名な歌手であるマリア・イェリッツァやリヒャルト・タウバーなどが出演しました。
第一次世界大戦の時代、フォルクスオーパーはウィーン第2の歌劇場としての地位を守っていましたが、1928年に経営が悪化し倒産、翌年1929年からはオペレッタを主な演目としました。
第二次世界大戦終盤の数ヶ月はしないで2番目に大きな1,550席の映画館として使用されていましたが、終戦後、空襲で壊滅的な打撃を受けたウィーン国立歌劇場の代替役をアン・デア・ウィーン劇場とともにしばらく担っていました。
1955年に国立歌劇場が再オープンしてからは再び、オペラ、オペレッタ、ミュージカルなどの公演に復帰しますが、1991年9月より再度国立歌劇場に属し、出演歌手などが両方の劇場に所属するといった状態になっていましたが、1966年より独立。