ベルリン・ドイツ交響楽団

ブルックナーの「最も大胆な」交響曲と、2025年プラハの春IMC優勝者・水野優也によるショスタコーヴィチのチェロ協奏曲を、グラミー賞受賞のベルリン“オーケストラ・シンクタンク”がお届けします。

5月31日のフェスティバルコンサートでは、数々の著名な音楽家の復帰が予定されています。ほぼ35年ぶりに、プラハの春はドイツ最高峰の交響楽団の一つ、ベルリンの「シンクタンク」Deutsches Symphonie-Orchester Berlinを迎えます。ロリン・マゼールやウラディーミル・アシュケナージに続き、今回はチェコの指揮者トマーシュ・ハヌスが登場します。彼の2023年のウェールズ国立歌劇場管弦楽団との『My Country』の演奏は、今日でも多くの音楽ファンの心に響いています。

また、プラハの春で愛される2人の作曲家、ドミトリ・ショスタコーヴィチ（1947年に同フェスティバルに招かれた）と、アントン・ブルックナー（カール・ベーム、クルト・マズア、ロリン・マゼール、ダニエル・バレンボイムらによって演奏された巨大な交響曲）を紹介します。

ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番のソリストは、2025年プラハの春国際音楽コンクールの勝者であるカリスマ的チェリスト水野優也です。「プラハの春国際音楽祭でショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番を演奏できることは、私にとって特別な意味があります」と水野は語ります。「この作品は1959年にムスティスラフ・ロストロポーヴィチのために作曲されました。彼は1950年に同コンクールで優勝し、この都市と深い関係を持っていました。その足跡をたどり、同じ場所で演奏できることは大きな名誉です。」

ショスタコーヴィチ（1906–1975）が1959年8月2日、自身のチェロ協奏曲第1番の楽譜を20歳年下の友人ロストロポーヴィチに渡すと、彼は4日後に戻り、全曲を暗譜で演奏しました。その際彼はこう述べています。「8月6日、私は暗譜で彼に演奏しました。三回続けてです。最初の演奏の後、彼は深く感動し、予想通り、少しウォッカを飲みました。二回目は完璧ではなかったので、さらに少しウォッカを。三回目はサン＝サーンスの協奏曲を演奏していたと思いますが、彼は自分の楽譜で伴奏してくれました。私たちは無限に幸せでした…」

その後、この卓越したチェリストは、この要求の高い作品（D-S-C-H [レ・ミ♭・ド・シ] のモチーフを扱い、最終楽章でスターリンの愛唱歌 スリコ を引用）を世界中で演奏しました。現在、ほとんどのチェリストがこの協奏曲をレパートリーに持ち、作曲家の最も人気のある作品の一つです。「この曲は緊張感、内面的葛藤、時に鋭いユーモアに満ちています」と水野は言います。「力強い冒頭モチーフから内省的な第2楽章、拡張カデンツァとしての第3楽章、皮肉なフィナーレまで、演奏者に技術的・感情的挑戦を課します。チェロのために書かれた最も偉大な協奏曲の一つです。」

水野優也は、プラハの春国際音楽コンクールの最終ラウンドで、バッハのチェロ組曲ニ長調とドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調を演奏し、国際審査員と観客の心をつかみ、見事第1位を獲得しました。ザルツブルク・モーツァルテウム大学を卒業し、名門ハーゲン四重奏団のクレメンス・ハーゲンに師事した水野は、1730年製ピエトロ・ジャコモ・ロジェリの希少楽器をサントリー財団より貸与され演奏しています。ザルツブルクのモーツァルト週間、ブダペスト春祭、東京のCHANEL Pygmalion Daysでも演奏経験があり、ソリストとして日本最高峰のオーケストラ、東京交響楽団とも共演しています。

プログラムとキャスト

プログラム

ドミトリ・ショスタコーヴィチ：チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 Op.107
アントン・ブルックナー：交響曲第6番 イ長調

出演者
ドイツ・シンフォニー・オーケストラ・ベルリン
トマーシュ・ハヌス – 指揮
水野優也 – チェロ