マクベス ハンガリー国立歌劇場

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FEB 2025 Next

 

マクベス Macbeth

 

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ

台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ

初演:1847年3月14日 フィレンツェ・ペルゴラ劇場

 

第1幕

スコットランドの荒地、魔女たちが呪文を唱えながら踊っているところへ、マクベスとバンコが通りかかる。魔女たちはマクベスにコーダーの領主になり、スコットランド王になるといい、バンコには王の父親になると予言して消える。そのとき使者がやって来て、マクベスがコーダーの領主になったと告げられ、2人は魔女たちの予言どおりになったのに驚く。マクベスの心には、王への野心がむらむらと燃え盛る。
マクベスの居城の一室、マクベス夫人が夫からの手紙で、魔女たちの予言のことを知り、自らも王位への野心に燃え、アリア「野望に満ちて」をうたう。召し使いが今夜国王ダンカンがここに泊まると知らせるので、国王殺害のチャンスと夫人は、「立て、地獄の司よ」のカヴァレッタをうたう。そして帰って来たマクベスに、今夜短剣で王を殺せと夫人はそそのかす。夜になるとマクベスの前に、短剣の幻影が浮かぶ。モノローグ「短剣が目の前に」。マクベスは、すばやく王の寝室に入る。やがて血のついた短剣を手に、出て来たマクベスは、妻に殺人の恐ろしい光景を語る。二重唱「宿命的な妻よ」。夫人はマクベスを励まし、酔いつぶれている衛兵に、血をなすり付けて2人は逃げ去る。翌朝マクダフとバンコが王の寝室で、惨殺された王の死骸を発見する。急いで駆けつけた人々は、余りのことに狼狽して大コンチェルタート、「地獄よ口をあけろ」と、神に殺人者を罰するようにと叫ぶが、マクベス夫妻も何食わぬ顔でそれに和する。

 

第2幕

城内の一室。魔女たちの予言どおり、王になったマクベスだが、バンコが王の父親にという、予言に不安を感じた夫妻は、バンコ親子の殺害を計画する。マクベスが立ち去った後夫人は、邪魔物はすべて消すのだと、アリア「光は衰え」をうたう。
マクベスの城の近くの公園。刺客たちがバンコと、その息子を待ち伏せている。通りかかったバンコは、不吉な予感を感じて、「空が急に翳ったように」とアリアをうたう。刺客が襲って来ると、バンコは自分が犠牲になって、息子を無事に逃す。
マクベスの国王就任の祝宴が開かれ、マクベス夫人が「乾杯の歌」をうたって、客たちを接待している。そこへ刺客の1人が戻って来て、バンコは片付けたが、息子を取り逃がしたと告げる。マクベスがバンコの席に目をやると、血まみれのバンコの亡霊が座っている。だがこの亡霊は、マクベスにしか見えない。消えてはあらわれる亡霊に、マクベスはすっかり取り乱して、夫人が必死に夫の気を静めようとするが、再び現われた亡霊に怯えて、マクベスが剣を抜いて切りかかるので、祝宴の座は白け切って、人々はマクベスの悪事にうすうす気づくのであった。

 

第3幕

魔女たちの洞窟。外では稲妻が光り、雷鳴が轟いている。魔女たちは煮え立つ大釜の回りで、不気味なバレエを踊っている。自分の将来に不安を持つマクベスが、予言を求めにやって来る。魔女たちはマクダフに注意すること、女から生まれた者で、マクベスに敵う者はいないし、バーナムの森が動かぬ限り、敗れることはないと警告する。マクベスはそれを聞いてひとまず安心するが、「バンコの息子が王になるのか」と尋ねると、魔女たちはそれには答えず、歴代の8人の王の亡霊を見せる。最後にあらわれるのは、手に鏡を持ったバンコの亡霊。余りの恐ろしさに、マクベスは気絶してその場に倒れる。魔女たちが彼の周りを踊りながら立ち去ると、入れ替わりに夫人がマクベスを探しに現われる。気付いたマクベスは予言の内容を夫人に話し、2人は自分たちの王位を守るため、何としてもマクダフを殺害し、バンコの息子を探し出して殺そうと誓う。

 

第4幕

スコットランドとイングランドの国境の荒地。遠くにバーナムの森が見えている。マクベスに追われたスコットランドの亡命者たちが、祖国に帰れる日を待ち望んで、合唱曲「虐げられた祖国」をうたう。次いで城を焼かれ、妻子を惨殺されたマクダフは、アリア「我が息子たちよ」をうたい、マルコムとともに復讐を誓う。
マクベスの城内、夜マクベス夫人は手に灯りを持ち、まるで夢遊病者のようにうろつき回り、手についた血痕を洗い流す仕草を繰り返す。不気味なアリア、「まだここに血痕が」
マルコムがイングランドと組んで、マクベスを攻撃しかけて来たのを知って、魔女の予言そのままに、自分には無敵の力があると信じて、若僧などには負けぬと、アリア「裏切り者め」をうたう。そのとき侍女たちから夫人の死が伝えられ、一方兵士たちからはバーナムの森が動いて、敵が攻めて来たことを知らされる。マクベスは忌まわしい予言に絶望しながら、「勝利か死か」と叫んで兵士たちと出陣する。
高地と密林に囲まれた広い戦場、マクダフはマクベスを追い詰めて行く。まだ魔女たちの予言を信じているマクベスは、「女の腹から生まれた者には負けぬ」というと、マクダフは「自分は生まれる前に、母の腹を裂いて出てきたのだ」と答える。それを聞いたマクベスは神通力を失い、自信と勇気をもなくして、マクダフの剣に倒されてしまう。舞台裏からは勝利の雄叫びが響いて、スコットランドを追われた亡命者たちと、イングランドの兵士に囲まれたマルコムが姿をあらわす。マクダフたちは、マルコムを新しい王として迎え、一同は勝利の喜びを高らかにうたい、歓喜のうちに幕は下ろされる。

プログラムとキャスト

イタリア語の四幕オペラ、ハンガリー語、英語、イタリア語の字幕付き

上演時間: 3時間15分、1回の休憩あり。

 

キャスト

指揮者:マルティン・ライナ
マクベス:フロリン・エステファン、ミケーレ・カルマンディ
バンコ / 医者:クリスティアン・チェル
レディ・マクベス:チラ・ボロシュ、シルビア・ラリク
レディ・マクベスの侍女:ルチア・メゲイシ・シュワルツ
マクダフ:サボルチ・ブリクナー
マルコム:バーン・バルトシュ
マクベスの召使い:ベンセ・パタキ
第一の幻影:アニヤ・ロンバルド
第二の幻影 / 子供の声:N.N.
第三の幻影 / 子供の声:N.N.

ハンガリー国立オペラのオーケストラと合唱団出演

ハンガリー国立歌劇場

ハンガリー国立歌劇場(ハンガリーこくりつかげきじょう、ハンガリー語: Magyar Állami Operaház)は、ハンガリーの首都ブダペストにあるネオルネッサンス建築の歌劇場。

 

概要

 

1858年創設。グスタフ・マーラーが音楽監督を務め、黄金時代を築いた。以後、エルネー・ドホナーニやフェレンツ・フリッチャイ、オットー・クレンペラー、ヤーノシュ・フェレンチクらが歴代音楽監督として名を連ね、リヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンなどの巨匠達も客演指揮を行っている。

初演された主な作品に、バルトークのバレエ「かかし王子」(1917年)、歌劇「青ひげ公の城」(1918年)や、コダーイの歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」(1926年)がある。

歌劇場の専属オーケストラはブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の名称で知られている。

なお、同じくフリッチャイやフェレンチクが音楽監督であったハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)は、この歌劇場のオーケストラとは別団体である。

Attila Nagy
© Hungarian State Opera
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