ラ・ボエーム プッチーニフェスティバル 2025
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
* Goldチケット *
Goldチケットにはドリンクカードが含まれていることをお知らせいたします。チケットを提示してチケット売り場の「前売りチケット」デスクで受け取ることができます。当日のチケット売り場の営業時間は、10:00から12:30までと、16:00から21:15までです。
受け取った後は、20:00から21:00まで開放されている劇場の庭園内の「予約された標識のある」エリアでお飲み物をお楽しみいただけます。
開演前にご利用いただけない場合は、最初の休憩時間中に、常に予約エリアでお飲み物をお楽しみいただけます。
ラ・ボエーム
作曲:ジャコモ・プッチーニ
初演:1896年2月1日 トリノ、テアトロ・レッジョ
台本:ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ(イタリア語)
【あらすじ】
時と場所:1830年頃、パリ
第1幕
パリのカルチエ・ラタンにあるボヘミアン仲間が暮らす屋根裏部屋。クリスマス・イヴ。
画家・マルチェッロと詩人・ロドルフォが火の気の無い部屋で仕事をしている。寒さに耐えかねてロドルフォが売れ残りの原稿を暖炉に入れて燃やす。「世界の損失だ」などと軽口をたたいていると哲学者コッリーネが帰ってきて、何も金になることがなかったとぼやく。そこへ音楽家ショナールが食料・薪・煙草などを運ぶ従者たちとともに意気揚々と入ってくる。ショナールはこれらをどうやって稼いだかを得意げに語るが、誰も耳を貸さず貪るように食料に飛び付く。しかし、ショナールはワイン以外は取り置いて、「今夜はクリスマス・イヴなのだから、皆でカフェ・モミュスに繰り出そう」と提案し、一同大賛成する。
そこへ家主のブノアが未払い家賃の催促にやってくる。ボヘミアンたちはブノアにショナールの金を見せて安心させ、ワインをすすめておだてる。家主が酔った勢いで、妻があるにもかかわらず浮気をしていたことを語ると、一同憤慨したふりをして家主を部屋から追い出してしまう。
彼らは家賃になるはずの金をカフェ・モミュスでの飲食費として分けあう。皆出かけるが、ロドルフォは書きかけの原稿があるといって一人残って書きつづける。
そこに誰かがドアをノックする。お針子のミミがカンテラの火を借りに来たのだが、めまいがして床に倒れ込む。ロドルフォに介抱されて落ち着いたミミは火を借りて礼を言い、立ち去る。しかし、彼女は鍵を落としたといって戻ってくるが、戸口で風が火を吹き消してしまう。再度火を付けようと、近寄ったロドルフォの持つ火もまた風で消えてしまう。しかたなく二人は暗闇で鍵を探す。ロドルフォが先に見つけるが、彼はそれを隠しミミに近寄る。そして彼女の手を取り、はっとするミミに自分のことを詩人らしく語って聞かせる。続いてミミも自己紹介をする。一向に降りてこないロドルフォを待ちかねた仲間が「まだか」と声をかける。ロドルフォは「今2人でいる、直ぐに追いつくから席を2人分取っておいてくれ」と言う。仲間たちは気を利かせて先に行くことにする。まだ愛を確認したいロドルフォだが、ミミが仲間と一緒に行きたいと言うので後を追ってパリの街に出かけることにする。ふたりの愛情のこもった二重唱で幕がおりる。
第2幕
カフェ・モミュス
クリスマスを祝う群集で賑わう通りで、物売りが口々に声を張り上げている。ボヘミアン仲間はカフェに集まり食事を始める。ロドルフォはミミに帽子を贈る。そこにマルチェッロの元の恋人ムゼッタが金持ちのパトロンのアルチンドロとともにやってくる。
彼女は頻りにマルチェッロの気を引こうとする。マルチェッロはそれを意地でも無視しようとするのでムゼッタはさらに誘惑を続け、アルチンドロはうろたえる。ついにムゼッタは靴がきつくて痛いと騒ぎ出し、アルチンドロを靴屋へ修理に行かせる。さきほどからムゼッタへの想いを絶ちきれずにいたマルチェッロと邪魔者がいなくなったムゼッタは互いに抱きあう。彼らは勘定を済ませようとするが、手持ちの資金が底をついている。ムゼッタは自分と彼らの支払いをアルチンドロに払わせることにする。そこへ帰営する軍隊の行進が通りかかり、その見物の喧騒に紛れて逃げることにする。マルチェッロとコルリーネは片足裸足で歩けないムゼッタを抱え行進の後を追い、周りで見ていた人々はその意気揚々とするのを見て喝采を送る。その他の人々も行進の後を追う。全員が立ち去った後アルチンドロが靴を持って戻りムゼッタを探す。ギャルソンが彼に勘定書きを手渡すとアルチンドロはその額に驚き、そしてその場に誰もいないのを知って、その場で椅子に座り込み第2幕を閉じる。
第3幕
ダンフェール門の市外との関税所前。翌年2月。
明け方。衣服行商人が市内にやってくる。他にも様々な商人の行き来がある。居酒屋でムゼッタが歌うのが聞こえる。ミミが登場し激しく咳き込み、居酒屋にマルチェッロを訪ねる。彼はここで看板を描いているという。ミミはマルチェッロに、ロドルフォとの生活がうまくいかない悩みを打ち明ける。彼は嫉妬深く、自分に冷たいというのだ。ついにロドルフォは昨夜ミミを置いて家を出たという。マルチェッロは、ロドルフォは宿屋で眠っていると答える。そこへロドルフォが目を覚まし、マルチェッロを探しに出てくるのでミミは隠れる。ロドルフォはミミのことを問うマルチェッロに、彼女の病気が重く、自分と暮らしていては助からないので別れなくてはならないと打ち開ける。
マルチェッロは陰で聞いているミミのことを案じ、彼を黙らせようとするが彼女はすでにロドルフォの話をすっかり聞いてしまう。彼女が泣きながらせき込むのでロドルフォも彼女に気付き、心配しておおげさに言っただけだから心配無いと彼女を慰める。
居酒屋のムゼッタの嬌声を聞いてマルチェッロが店に駆け込む。彼は彼でムゼッタの奔放な性格に手こずっていたのだ。
ふたりきりになると、彼の配慮を察したミミはロドルフォに別れを告げる。以前住んでいた屋根裏部屋に戻ること、身の周りの細々したものを誰かに取りに行ってもらうことなどを淡々と語るが、「以前買ってもらったあの帽子だけは、良かったら私の思い出にとって置いて欲しい」と別れを言うと、ロドルフォも彼女をいたわりつつ別れの言葉をかわす。ふたりの歌に並行して、居酒屋から出てきたムゼッタとマルチェッロが激しく言い争って喧嘩別れして行く。ロドルフォとミミが第1幕最後の愛の言葉を交わす二重唱の一節を繰り返して幕が下りる。
第4幕
再び屋根裏部屋。数ヶ月後。
ロドルフォとマルチェッロが仕事をしているが、二人とも別れた恋人の事が思い出されて仕事にならない。ショナールとコッリーネが食料を持って帰り、四人はいかにも豪勢な食事であるかのように芝居をしながら食べる。演技に興じて決闘のまねごとをしているところに、ムゼッタが血相を変えて賭け込んでくる。
ミミと戸口までいっしょに来たが彼女は今そこで倒れた、というのでロドルフォは急いで助けに行く。ムゼッタは金持ちの所で世話になっていたミミが、死ぬ前に一目ロドルフォに会いたいというので連れて来たことを三人の仲間に語る。ミミはロドルフォ、仲間たちとの再会を喜ぶ。彼女をベッドに寝かせると、ムゼッタはミミの手を温めるためのマフを取りに、マルチェッロはムゼッタのアクセサリを売って薬を買うために揃って出て行く。コッリーネは瀕死のミミのために自分の古着を質に入れようと、ショナールを誘って部屋を去る。
2人きりになると、ミミはロドルフォに話しかける。ロドルフォが例の帽子を見せるとミミは喜び、二人の出会いと幸せな暮らしのことを語りあう。しかしミミは再び気を失い、ロドルフォが声を出すと外で様子をうかがっていたショナールたちが駆込んで来る。ミミは再び目覚め、ムゼッタが持ってきたマフで手が暖まると喜ぶ。そのまま眠りにつくミミの側でムゼッタは聖母マリアに祈る。ショナールがふとミミを見ると彼女はすでに息絶えていた。そっと皆に知らせると、ロドルフォは周りのただならぬ様子に事態を察し、ミミの亡骸にすがりついて泣き臥す。さきほどのミミが歌ったモティーフをオーケストラが強奏で繰り返して幕となる。
プログラムとキャスト
監督:エットーレ・スコラ
撮影したのは マルコ・スコラ・ディ・マンブロ(Marco Scola Di Mambro)
監督:エンリコ・カレッソ
セット:Luciano Ricceri
トッレ・デル・ラーゴ
トッレ・デル・ラーゴはトスカーナ州西部の人口約11,000人の町です。マサチウッコーリ湖とティレニア海の間に位置し、ジャコモ・プッチーニは生前この町に居を構えていました。トッレ・デル・ラーゴで行われる、プッチーニ音楽祭はイタリア国内では最も有名なイベントの一つであり、プッチーニの作品だけを上演する世界で唯一の音楽祭です。毎年行われるプッチーニ音楽祭には約40,000人もの聴衆が集まり、屋外舞台はかつて作曲家プッチーニが住み、作曲をしていた邸宅からそれほど離れていません。彼はこの邸宅の近くの礼拝堂に葬られました。
1930年に初めて開催され、予ねてからこのイタリア人作曲家が夢に見ていた「自らのオペラを作曲した湖畔での上演」が叶えられました。プッチーニの死後6年後彼の友人達がマサチウッコーリ湖上に「ラ・ボエーム」の壮大な舞台を設置し、この伝統は今日まで続いています。
プッチーニ生誕150年を迎えた2008年よりプッチーニ音楽祭は新しい屋外劇場で開催されるようになりました。