三つのオレンジへの恋

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DEC 2024 Next

 

三つのオレンジへの恋 - セルゲイ・プロコフィエフ
4幕(10場)と前奏曲のオペラ
作曲家によるリブレット、カーロ・ゴッツィの同名の戯曲をワーグナー・ヒンツェの翻訳で、ヴセヴォロド・メイエルホルドのアダプテーションに基づく
ドイツ語で演奏され、ドイツ語と英語の字幕付き
初演:2024年12月7日

 

笑いを求める、風刺的でグロテスク、かつ悲劇的な冒険。

 

 

原書のあらすじ

ハートの王は極度のうつ病にかかった王子のことで悩んでいる。家臣のパンタローネは王子を笑うことによって治すために道化師トルファルディーノを呼び寄せることを提案する。王子の病気が治ると王位をとることができなくなってしまう姪のクラリーチェと大臣のレアンドロはこの計画に反対する。レアンドロは魔女モルガーナに相談する。そして、宴会の日が来るが、トルファルディーノは王子を笑わせることが出来ない。ところが王子は邪悪な魔女ファタ・モルガーナが転んだのを見て笑い、怒ったモルガーナに、3つのオレンジに恋をするという呪いをかけられてしまう。王子はトルファルディーノをつれて、3つのオレンジがあるクレオンタの城へ旅に出る。

 

砂漠では、王子の味方の魔法使いのチェリオが悪魔ファルファレッロから、モルガーナの呪いについて聞き出す。2人がクレオンタの城の近くにたどり着いたときにチェリオが現れ、数々の危険が待っていることを伝える。それは、錆だらけになった門、おなかをすかせた犬、湿気で腐りかけたスープ、箒がないために炉を乳房で掃いているパン焼き女だとチェリオが言う。そして、それぞれの危険を回避するための道具を2人に与え、オレンジを手に入れたらすぐに逃げること、泉の近くに行くまではオレンジを切ってはいけないと忠告する。

 

王宮についた2人はチェリオの指示通りにして、オレンジを城から持ち出すことに成功する。しかし、帰る途中でオレンジはどんどん大きくなっていき、トルファルディーノは喉が渇いてしまう。王子が寝ている隙に2個のオレンジを切ると、それぞれから王女が出てくるが、水を求めながら喉の渇きを訴えて死んでしまう。王子が目覚めて湖の近くまで行き、最後のオレンジを切ると、中からニネッタ王女が現れ、水を求める。王女と王子は相思相愛となり、結婚を誓う。王女の服がみすぼらしかったので、王子は着替えを取りに王女を残して王宮に戻る。その間に、モルガーナが使わした黒人女スメラルディーナが現れ、王女を鳩に変えてしまう。王子が王と家臣を連れて帰ってくると、スメラルディーナが王子と結婚することになっていると主張する。王は約束は守るべきだといって、王子はしぶしぶ承諾する。

 

王宮ではチェリオとモルガーナが戦うが決着がつかない。台所でトルファルディーノが料理をしていると、窓辺に鳩が来てトルファルディーノに話しかけ、彼は眠り込んでしまい、料理を3回も焦がしてしまう。王が料理はまだかと怒っていると、パンタローネがくる。トルファルディーノとパンタローネは鳩を捕まえ、刺さった針を抜くと、鳩はニネッタ王女にもどる。ニネッタはそれまでの経緯を一同に説明し、王はスメラルディーナを火あぶりの刑に処することを命じる。チェリオが現れてレアンドロやクラリーチェの陰謀を暴き、彼らは国外追放される。王子と王女は結ばれる。

プログラムとキャスト

王トレフ: ゲオルグ・ツェッペンフェルド
王子: マウロ・ピーター
プリンセス・クラリス: ナデジダ・カリャジナ
レアンダー: ネヴェン・ツルニッチ
トゥルファルディーノ: アーロン・ピグラム
パンタロン: ダニロ・マトビエンコ
魔法使いチェリオ: アレクサンドロス・スタブラカキス
ファータ・モルガーナ: フルリーナ・ストゥッキ
リネット: ミハル・ドロン
ニコレッタ: ヴァレリー・アイコフ
ニネッタ: ジャスミン・デルフス
料理長: タラス・シュトンダ
ファルファレッロ: ティルマン・レーネベック
スメラルディーナ: ジョルジーナ・フュルステンベルク
セレモニー・マスター: ジェラルド・フーパッハ

 

音楽指揮: エリック・ニールセン
演出: エフゲニー・ティトフ
舞台: ヴォルフガング・メナルディ
衣装: エマ・リオット
照明: ファビオ・アントーチ
合唱: ジョナサン・ベッカー
ドラマトゥルギー: ベネディクト・スタンプフリ

 

ザクセン州国立オーケストラ・ドレスデン
ザクセン州国立オペラ合唱団・ドレスデン

ゼンパー・オーパー

ゼンパー・オーパーはドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンにある州立歌劇場です。

専属のオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンはデンマーク王立管弦楽団に次ぐ世界最古のオーケストラと言われています。建築家ゴットフリート・ゼンパーにより設計され、1841年4月13日カールマリア・フォン・ウェーバーの作品によって開館。1843年から1849年までは作曲家のリヒャルト・ワーグナーが指揮を務めており、「タンホイザー」「さまよえるオランダ人」の初演を行っています。

1869年、劇場は火災で焼失し、ゼンパーが改めて基本設計を行い、再建開始され、1878年完成します。

第二次世界大戦末1945年英米軍のドレスデン爆撃により瓦礫の山となりますが、1977年復興が始まり、1985年に完成し、現在の建物となります。

戦後、東ドイツ時代は国立の歌劇場でドレスデン国立歌劇場と呼ばれていたが、1990年ドイツ再統一に伴い、州立の歌劇場となります。

 

 

Semperoper Dresden
Semperoper Dresden/Klemens Renner
© Semperoper Dresden/Klemens Renner
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