ウエストサイドストーリー
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あらすじ
第1幕
ニューヨークのウエスト・サイド、午後5時、ポーランド系アメリカ人の少年非行グループ「ジェッツ」(ジェット団)と、新参のプエルトリコ系アメリカ人の少年非行グループ「シャークス」(シャーク団)は、なわばりを巡って対立している。今日も2グループの間で争いが起きるが警官の呼子笛の音に止められる(“Prologue”「プロローグ」)。クラプキ巡査とシュランク警部補が現れて少年たちに説教をして帰っていく。
ジェッツのリーダー・リフはシャークスとの関係をはっきりさせるために決闘しようと言い出し、ジェッツのメンバーが賛成する。ついては決闘についての取り決めをシャークスとする必要があり、リフは自分の副官にトニーを選ぶ。メンバーは初めトニーはもう抜けたと反対するが、リフは(海兵隊のように)「一度ジェッツになったら死ぬまでジェッツだ」と歌う。メンバーもついには了解し、夜に中立地帯である体育館で行われるダンスパーティでシャークスのリーダー・ベルナルドに決闘の申し込みをすることにし、全員で「ジェッツが一番だ」と歌い踊る(“Jet Song”「ジェット・ソング」)。
午後5時半、ドックの経営するドラッグストアで働くトニーに、リフがパーティに来るよう頼んでいる。追い払おうとするトニーはなぜジェッツに興味を失ったのか聞かれ、ここ一月何かが来るのを予感して毎晩目が覚めること、その何かを楽しみにしていることを語る。せがむリフに遂に折れ、トニーはパーティに行くことにする。後悔するだろうと言うトニーにリフがそれはわからない、ダンスでその何かがまっているかもしれないと言って去っていくと、トニーはその言葉を受けて、素晴らしい「何か」が確かに今晩来るかもしれない、と歌う(“Something's Coming”「何かが起こりそう」)。
6時、ブライダルショップでは、アニタがマリアのコムニオン用の白いドレスをパーティ・ドレスに作り替えている。マリアが胸元をもう少し広げるように頼むが、アニタはベルナルドとの約束を持ち出して聞かない。セリフからマリアがチノと結婚するために合衆国に来てまだ一月であることがわかる。完成したドレスをマリアが着たところにベルナルドとチノが現れる。マリアが「今夜が私のアメリカの若い女性としての人生の始まり」と言って回り出すのをきっかけに場面転換。
夜10時、体育館のダンスパーティーでジェッツとシャークスが踊っている。グラッド・ハンドとクラプキが現れ、2つのグループを一緒に踊らせようとするが失敗し、マンボのリズムに乗ったダンス合戦になる。その渦の中に現れたトニーはマリアと出会い、2人は瞬く間に恋に陥る。唇を交わそうとしたところにベルナルドが妹に近付くなと現れ、チノにマリアを連れて帰るよう命じる。帰っていくマリアにチノが「さあ、マリア」と声をかけたのを聞き、トニーは彼女の名を知る。トニーに迫ろうとするベルナルドにリフが割り込み、一時休戦とドラッグストアでの話し合いを約束する(“The Dance at the Gym”「体育館でのダンス」)。トニーは一人夢見心地で、マリアの名を幾度も口にして称える(“Maria”「マリア」)。
11時、トニーは裏路地でマリアを探しまわり、建物上階の窓に彼女を見つける。2人は彼女の家の非常階段で互いの気持ちを確かめあう(“Tonight”「トゥナイト」)。別れ際に翌日の夕方にマリアの働くブライダルショップで会う約束を交わす。
トニーと入れ替わりにシャークスの面々が帰ってくる。マリアをコントロールしようとするベルナルドに、ここは女性も自由に楽しめる国アメリカだとアニタは言う。話題はトニーに及び、移民2世でもアメリカ生まれであるゆえに「アメリカ人」の彼と「外人」扱いの自分たちの境遇の違い、アメリカに来た時の期待、プエルトリコへ帰って錦を飾る希望を彼らは語る。アニタに促され、ベルナルドは少年たちを率いてドックの店へ向かう。そんなに故郷がいいんなら帰ればというアニタをきっかけに、美しい故郷を懐かしむロザリアと、故郷を嫌悪しアメリカを称える他の少女たちが歌いあう(“America”「アメリカ」)。
12時、ドラッグストアでシャークスを待つジェッツの興奮したメンバーに、リフは「落ち着け、クールに振る舞え」と歌う(“Cool”「クール」)。シャークスが現れ、決闘の条件の話し合いが始まる。翌日、高速の高架下まで決まり、武器で揉めている最中、入ってきたトニーの提案で一対一の素手を決定し、ジェッツからはディーゼルが選ばれる。シュランクが現れ、ギャング団たちは去る。シュランクは決闘について聞き出そうとするがドックとトニーは口を割らない。シュランクが去った後、トニーはドックに自分が恋に落ちたことを話す。
翌日午後5時半、ブライダルショップでは、マリアがアニタを先に帰そうとしているとトニーが現れる。アニタが去った後、マリアはトニーに素手であろうと争うのはよくないと決闘の場へ行ってやめさせるよう約束させる。それから2人は結婚式の真似事をしてお互いの愛を再確認する(“One Hand, One Heart”「ひとつの心」)。
6時、ジェッツとシャークスのメンバーは今夜の決闘を、アニタは決闘後のベルナルドとのデートを、そしてトニーとマリアは夜の再会を心待ちにする思いをそれぞれ歌う(“Tonight (Quintet)” 「トゥナイト(クインテット)」)。
9時、高速道路の高架下で決闘が始まる。遅れて現れたトニーは決闘をやめさせようとするがうまくいかず、ベルナルドのトニーへの嘲笑に逆上したリフが手を上げ、ベルナルドとリフはナイフを持ち出して争い出す。リフはベルナルドを追い詰めるが、押さえつけるディーゼルの手を振り払い止めに入ろうとしたトニーに気を取られた一瞬の隙に、ベルナルドがリフを刺し、トニーもリフのナイフでベルナルドを刺す。乱闘となるが、警察の笛の音、続くサイレン音に少年たちは殺された2人とトニーを残して散る(“The Rumble” 「決闘」)。マリアの名を呼び立ち尽くしているトニーを戻ってきたエニバディズが我に返らさせ、2人も逃げていく。
第2幕
9時15分、部屋でコンスェーロ、ロザリアが決闘後のデートに向けて身支度をしていると、同じく着飾ったマリアが現れ、決闘はない、今夜は私の結婚式と告げる。私はなんてかわいいんでしょうと弾けるよろこびを歌う彼女をコンスェーロたちは怪しむ(“I Feel Pretty”「素敵な気持ち」)。
そこに決闘から逃げてきたチノが現れ、決闘の経緯を語り始める。ベルナルドについて話そうとするチノを遮ってマリアがトニーの安否を尋ねるとチノは凍りつき、そして「やつが君の兄さんを殺した」と伝える。マリアは嘘だと叫びながら自室にこもり、チノは家具の後に隠されたベルナルドの銃を懐にしまい部屋を去る。マリアが自室の処女マリア像に祈りを捧げているとトニーが現れる。マリアは人殺しと罵り叩くが、トニーが言い訳の中で警察に行くと口にすると、それをとめる。トニーがどこか遠くへ連れて行くよ、どこかに僕たちの居場所があるはずさと歌うと、皆が仲良く暮らす夢の世界が現れて2人を包む。オフステージの女声が皆が仲良く暮らせる世界がどこかにある、そこへ行こうと歌う(“Somewhere” 「どこかへ」)。しかし美しい世界が崩れ始め、ベルナルドとリフが現れ、恋人たちは引き裂かれる。2人は現実世界に引き戻され、不安を追い払うように「私の手をとって、もうすぐそこ」と歌の最後の節を繰り返す(“Procession and Nightmare” 「行列と悪夢」)。
10時、決闘の場から散った後再会できたA-ラブとベイビー・ジョンは、市警のクラプキ巡査と出くわしてしまい、決闘についての訊問をかわそうとしてしょっ引かれそうになるが上手くごまかして追い払う。他のジェッツの仲間たちと合流し、自分たちを人間扱いしない警察やたらい回しにする役所の物真似に絡めて、自分たちが不良になったのは家庭環境や社会のせいと歌う(“Gee, Officer Krupke” 「クラプキ巡査どの」)。エニバディズが現れ、チノがトニーの命を狙っていることを知らせる。ジェッツたちは手分けしてトニーを探し出すことを決めて散る。
11時半、マリアの寝室のベッドでは恋人たちが寝ている。アニタが現れ、トニーはドックの店で会うことを約束して窓から逃げる。トニーがいたことに気付いたアニタは、自分の恋人でありマリアの兄であるベルナルドを殺したトニーのような男など忘れろとマリアに言うが(“A Boy Like That” 「あんな男」)、結局はマリアのトニーに対する愛情の強さに2人の関係を認め、チノがトニーを探していることを教える(“I Have Love” 「私は愛している」)。シュランクがマリアの事情聴取に訪れ、アニタはマリアの頼みを受け入れ彼女が遅れることを伝えるために渋々ながらドラッグストアへ向かう。
11時40分、ドックの店ではジェッツが集まり、ドックとトニーは地下にいる。そこへアニタが訪れ、ドック、さらにはトニーに会わせるように頼むが、アニタを信じない少年たちは彼女をからかい、辱めはじめる。すんでのところでドックが現れ、驚いて少年たちを叱りつけるが、怒りに燃えるアニタは「マリアはチノに殺されたとあんたらの友人に伝えな」と嘘を言って去る(“Taunting Scene” 「あざけりの場面」)。11時50分。アニタの嘘を本当だと思い込んだドックは、地下室に匿っているトニーにその話を伝える。自暴自棄になったトニーは店の外へ出てチノを呼び、僕も殺せと叫びまわる。
12時、チノを呼び回るトニーをエニバディズが止めようとするがトニーは聞かない。と、陰からトニーはマリアの姿を見つけ、駆寄ろうとするが、その瞬間チノの銃弾に斃れる。倒れたトニーを抱くマリアのもとへジェッツ、シャークスの双方が駆けつける。トニーが自分の信が足りなかった、ここでは2人は一緒にさせてもらえないといい、マリアはどこかへ行こうと答える。2人は “Somewhere” の一節を歌うが、トニーはマリアの腕の中で息を引き取る。マリアはしばし歌い続けようとするものの現実を悟り、トニーの体を地面に置く。アクションがチノに近付こうとするがマリアはこれを制し、チノから拳銃を取り上げ、ジェッツやシャークスの面々に銃口を向け「みんなが彼を殺したのよ。兄さんもリフも」と叫び、今や憎しみを抱いた自分も人を殺せるのだ、一発を自分に残してと言うが引き金を引くことはできずその場に泣き崩れる。シュランクが現れトニーの遺体に近付こうとすると、マリアは遺体に飛びついて触らせず、トニーに接吻をする[注 2]。ベイビー・ジョンが地面に落ちたショールを拾ってマリアの頭にかけ、ジェッツとシャークスのメンバーが共にトニーの遺体を運び、葬列のように皆がそれに続く。遂にマリアも立ち上がり、頭を高く上げて列の最後に続いて退場し、大人たちだけが舞台になすすべなく取り残される。
その後、トニーの死後、ドックの店を継ぐためにアクション、アイス、チノ、ぺぺがアルバイトとして働く。
プログラムとキャスト
ウエストサイドストーリー
レナード・バーンスタイン、アーサー・ローレンツ、スティーヴン・ソンドハイムによるミュージカル
ドイツ語と英語の字幕付き
監督: ロッテ・デビア
振付:ブライアン・アリアス
舞台美術:クリストフ・ヘッツァー
衣装:ジョリーヌ・ヴァン・ベーク
ライト:アレックス・ブロック
フォルクスオーパー・ウィーン
フォルクスオーパーへのアクセス
地下鉄:U6
トラム:40 、 41 、 42
バス:40A
停車駅:ヴェーリンガーシュトラッセ/フォルクスオーパー(Währinger Straße/Volksoper)
タクシー乗り場は環ヴェーリンガーギュルテル(Währinger Gürtel・環状道路)沿いに位置しています。
又、公演終了時にはタクシーが劇場前に待機していますので、ホテルまでのお帰りがご心配な方にはタクシーのご利用をお勧めします。
フォルクスオーパーについて
ウィーン・フォルクスオーパーはウィーンでは国立歌劇場についで2番目に大きな歌劇場で、オペレッタ、オペラ、ミュージカル、バレエなど洗練された軽音楽が上演されます。
毎年9月から6月迄のシーズン内に約300公演、35演目が上演され、オペラ「魔笛」「トゥーランドット」、ミュージカル「マイ・フェア・レディー」、バレエ「真夏の世の夢」を始め、多大なレパートリーを誇ります。そして、何と言っても「こうもり」「メリー・ウィドー」「チャルダッシュの女王」「ワルツの夢」他、ウィーン特有のオペレッタはフォルクスオーパーの最も得意ジャンルとして常に生きる喜びに溢れた舞台音楽を堪能できます。
歴史
1898年、当時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の即位50周年を記念し、建築家のフランツ・フライヘア・フォン・クラウスとアレクサンダー・グラフによって建設され、同年12月14日に開館しました。
1906年にはアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーが初代指揮者に就任。1907年に「トスカ」、1910年に「サロメ」が初めて上演され、世界的に有名な歌手であるマリア・イェリッツァやリヒャルト・タウバーなどが出演しました。
第一次世界大戦の時代、フォルクスオーパーはウィーン第2の歌劇場としての地位を守っていましたが、1928年に経営が悪化し倒産、翌年1929年からはオペレッタを主な演目としました。
第二次世界大戦終盤の数ヶ月はしないで2番目に大きな1,550席の映画館として使用されていましたが、終戦後、空襲で壊滅的な打撃を受けたウィーン国立歌劇場の代替役をアン・デア・ウィーン劇場とともにしばらく担っていました。
1955年に国立歌劇場が再オープンしてからは再び、オペラ、オペレッタ、ミュージカルなどの公演に復帰しますが、1991年9月より再度国立歌劇場に属し、出演歌手などが両方の劇場に所属するといった状態になっていましたが、1966年より独立。