作品について
クリストフ・W・グルック作曲のオルフェオとエウリディーチェをピナ・バウシュがダンス・オペラとして演出した本作は、伝説的なタンツテアターの振付家ピナ・バウシュを代表する作品の一つです。物語は、古代ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケの伝説に基づいています。
グルックの後期バロック・オペラをピナ・バウシュが独自に解釈した本作では、ダンサーと歌手が対等な存在として舞台上のドラマを創り上げます。オーケストラと合唱がオーケストラ・ピットで演奏する一方、舞台では深い人間性を描いたロマンティックなドラマが展開されます。オルフェオ、エウリディーチェ、そしてアモールの各役は、それぞれダンスと歌唱の二人によって表現され、多層的な感情や内面的な葛藤が重なり合って描かれます。
オルフェオとエウリディーチェは、2027年バレエ・フェスティバル・ウィーク期間中のみ、全8公演限定で上演されます。
オルフェオとエウリディーチェ
作曲:クリストフ・ヴィリバルト・グルック
台本:ラニエリ・デ・カルツァビージ
あらすじ
時と所:ギリシャ神話の時代・ギリシャの野、及び黄泉の国(冥界)
第1幕
月桂樹と糸杉の木立がエウリディーチェの墓を取り巻いている。オルフェオは友人と共に妻エウリディーチェの死を悼んでいる。オルフェオは泣き崩れ、「エウリディーチェ」と悲痛な声をあげる。絶望のあまり妻を連れ戻しに黄泉の国に下がると神々たちに言う。そこに愛の神が現れ、オルフェオの嘆きに心を動かされたゼウス神たち神々は憐れみ、彼が黄泉の国に行って妻を連れてくることを許すという。ただし愛の神は、彼の歌によって地獄の番人たちをなだめること、そして何があっても決してエウリディーチェを振り返って見ないことが条件である。もしオルフェオが自分の事態を説明しようとしたり、振り返ったりすると彼女は永久に失うという。オルフェオはこの難しい試練に挑み、黄泉の国へと向かう。
第2幕
第1場:洞窟の入口
嘆きの川の先におどろおどろしい洞窟の入り口に、復讐の女神や死霊たちが踊っている。復讐の女神たちはオルフェオを恐ろしがらせようとして、地獄の入り口で彼を押しとどめる。オルフェオは勇気をもって竪琴を取り、甘い歌声で彼女たちを静め、オルフェオに道をあける。そして復讐の女神や死霊たちは静かに消えて行く。
第2場:エリゼの園(エリシウムの楽園)
エリゼの園でエウリディーチェは妖精と共に、エリゼの園の静けさと平和を讃えて歌っている。その時オルフェオはエウリディーチェを発見し、オルフェオはエウリディーチェの姿を見えないようにして手を取り、地上へと向かう
第3幕
第1場:薄暗い洞窟の迷宮の中
オルフェオがエウリディーチェの手を引いて上がって来る。エウリディーチェは初めのうちは喜んでいたが、オルフェオがすぐに自分の方に見ようとしないことに不審を抱き、ためらう。エウリディーチェは夫の愛が冷めたのではないかと怪しんで、それ以上夫について行こうしなかった。絶望したオルフェオは耐え切れず、エウリディーチェの方を振り向いてしまう。そのとたん、エウリディーチェは倒れて息絶える。オルフェオは嘆き、そして短剣を取り上げて自ら自殺を決意する。その時、愛の神が現れ、彼を押し留める。愛の神は「お前の愛の誠は十分示された」と告げ、エウリディーチェは再び息を吹き返す。2人は喜んで抱き合う。
第2場:地上の愛の神の宮殿
オルフェオが羊飼いやニンフたちと共に愛の神に感謝し、羊飼いやニンフは踊りを捧げる。エウリディーチェも愛の神に感謝し、全員が愛を讃える。